「10秒でも長いと言われる」 デビューから30年超、ビビる大木が見つめる“笑いの変化”
お笑い芸人・ビビる大木が、5月31日に開幕する「東京喜劇 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第12弾『仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』」(6月24日まで)に出演する。ボウリング業界の光と影をテーマに三宅裕司が出演・構成・演出を担当。大木は、あこがれの舞台シリーズに初参戦となる。1995年に芸人デビューから30年あまり。テレビやラジオなどマルチに活躍する中、笑いの変化を感じてきたベテランは、生の舞台で笑いを磨けることに燃えている。

東京喜劇『熱海五郎一座』に助っ人出演
お笑い芸人・ビビる大木が、5月31日に開幕する「東京喜劇 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第12弾『仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』」(6月24日まで)に出演する。ボウリング業界の光と影をテーマに三宅裕司が出演・構成・演出を担当。大木は、あこがれの舞台シリーズに初参戦となる。1995年に芸人デビューから30年あまり。テレビやラジオなどマルチに活躍する中、笑いの変化を感じてきたベテランは、生の舞台で笑いを磨けることに燃えている。(取材・文=大宮高史)
毎年、新橋演舞場で上演し、東京の初夏を彩る「熱海五郎一座」。三宅が座長を務めるこの一座は、かつて伊東四朗が築き上げた「伊東四朗一座」を引き継ぎ、今年で第12弾になる。そこに今年、大木が“助っ人”として初めて参加する。今作は新橋のボウリング場を舞台にしたコメディーで、大木は不動産会社社長の息子という役どころだ。大木はあこがれだった舞台シリーズへの出演に、驚きと感激があったようだ。
「三宅さんの一座は客席から見たこともあったんですが、自分が出るとは全く想像していなかったので、驚きがありました。同時に参加できることを光栄に感じています」
この舞台で大木が楽しみにしていることの一つは、現場で久しぶりに若手扱いしてもらえることだという。
「テレビだと、自分が最年長だったり、芸歴が一番長かったりすることが増えてきました。でも今回、ゲスト参加される野呂佳代ちゃんを別とすれば、僕が一番年下です。ビビる大木が後輩の若手としていられる現場というのは、最近ではなかなかない経験なんですよ。感覚も全く違いますから、それが新鮮だし、楽しみです。助っ人としてだけでなく、笑いを後押ししたいです」
座長の三宅をはじめ、渡辺正行、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之ら多彩な経歴を持つコメディアンが集まる舞台。大木にとって単なる客演以上の意味を持っている。生ならではの笑いを追求できる機会になった。
「テレビで求められる笑いは、今はどうしても『スピード』なんです。テレビも10秒や15秒で笑わせないと、もう『長い』と言われてしまうんです。そんなスピード感にも慣れてきましたが、今回は舞台の上でじっくりと笑いを作っていく丁寧な作業ができるんです。もともとコンビでネタをやっていた人間なので、久しぶりに一緒に笑いを作っていけるのはありがたいし、なかなか呼んでもらえる場でもないので、奇跡のような気持ちでいます」
「純粋な東京の笑いって何だろう?という疑問と好奇心はありました」
もう一つ、芸歴30年を超えた大木が昨今こだわっているのが、一座が継承するような、東京の笑い“軽喜劇”を盛り上げたいという思いだ。
「僕は埼玉の生まれですが、東京の笑いにあこがれてこの世界に飛び込んだんです。昔なら、萩本欽一さんや志村けんさんが東京出身で、地域の枠を越えて大活躍されていました。一方で子どもの頃にはもう、(明石家)さんまさんやタモリさんら関西や西日本出身の皆さんがテレビを席巻していました。中学生になれば“東のウッチャンナンチャン、西のダウンタウン”の時代だったんですが、たまたま見た雑誌でウッチャンナンチャンのお2人だって出身は香川と熊本と知ってショックだった記憶があります(笑)。では、純粋な東京の笑いって何だろう? という疑問と好奇心はありました」
1974年生まれの大木はTBS系『8時だョ!全員集合』やフジテレビ系『オレたちひょうきん族』という“伝説的なお笑い番組”を見て育った世代でもある。ゆえに話芸に限らない笑いを追求したい思いがあった。
「『東京らしい笑いって何だろう?』と意識し始めた頃、東京出身の芸人といえば、ビートたけしさんやとんねるずさんでしたから、自然にその方々に惹かれていって。特にとんねるずさんは、司会もやれば歌も出してと勢いがあって、『芸人も歌っていいんだ』とお笑いのカルチャーの可能性が好きになりました」
そして1995年、大内登とお笑いコンビ「ビビる」を組んでデビューした。2002年に解散後はピン芸人として、テレビやラジオなどマルチに活躍してきた。そんな中、大木が探求し続けてきた東京らしい笑いを表現する時がやってきた。
「三宅さんも『東京らしい笑いの質』を求めていると思います。僕は埼玉ですが、先輩芸人の方々に憧れていましたし、何かしら東京に縁がないと呼んでもらえなかったと思います。“軽演劇”っていう、本当に稀有なチャンスをいただけました。一座の皆さんと“計算された笑い”を一緒に作り上げていくことが楽しみです」
お笑い芸人として、さらに進化した姿を披露するつもりだ。
□ビビる大木(びびる・おおき) 1974年9月29日生まれ。埼玉県出身。ワタナベエンターテインメント所属。95年に大内登とコンビ「ビビる」を結成。2002年にコンビ解散後は以後ピン芸人としてマルチに活躍中。現在は、テレビ東京系『家、ついて行ってイイですか?』、TBS系『ラヴィット!』にレギュラー出演中。また、幕末など歴史に造詣が深く、ジョン万次郎資料館名誉館長をはじめ、春日部親善大使、埼玉応援団、萩ふるさと大使、高知県観光特使なども務める。
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