大鶴義丹、熱すぎる旧車バイク愛 プロ顔負けのレストア事情「店に頼るのが嫌になった」
「同級生たちが定年を迎えてポジションが下がる中、『お前はあと15年はできるだろうから羨ましい』とよく言われます」。そう語る大鶴義丹も、間もなく還暦が見えてくる年代となった。22日開幕の主演舞台『幸せのタネ』では、出ずっぱりで逃げ場のない難役に挑むが、その素顔は実に軽やかで充実している。

主演舞台『幸せのタネ』が22日に開幕
「同級生たちが定年を迎えてポジションが下がる中、『お前はあと15年はできるだろうから羨ましい』とよく言われます」。そう語る大鶴義丹も、間もなく還暦が見えてくる年代となった。22日開幕の主演舞台『幸せのタネ』では、出ずっぱりで逃げ場のない難役に挑むが、その素顔は実に軽やかで充実している。(取材・文=平辻哲也)
次々と舞台に出演し、膨大なセリフを抱える日々。4月26日に『幸せのタネ』が千秋楽を迎えた翌日からは、次なる舞台の稽古が控えている。5月30日から銀座・博品館劇場で上演される密室会話劇の金字塔『十二人の怒れる男』だ。間髪入れずに舞台が続くが、その暗記方法は意外にもアットホームなものだ。
「次は仕切る役なんですが、セリフを覚えるのは嫌いじゃなくて、奥さんに台本を読んでもらって相手をしてもらいながら耳で覚えていっています。家族のいいコミュニケーションになってますね」
『幸せのタネ』の公演中に58歳の誕生日を迎える。周囲の同級生は定年退職の話題も聞こえている年代だ。
「俳優には定年はないと言われますが、実は30代半ばの時に男として苦しんで、全然違う南アジア系の輸入業とか海外で飲食業をやろうかと考えたこともありましたが、今の仕事にいっちゃいましたね」
私生活では、80年代の旧車を中心としたバイクのレストア(復元)に没頭。バイクやクルマに関する連載を持ち、先日は東京モーターショーでもトークショーのステージをこなした。愛車として知られる1987年型のスズキ「GSX-R1100」や空冷の「カタナ1100」をはじめ、その情熱とこだわりは尋常ではない。
「子どもの時からプラモデル等が得意だったんですが、飲み仲間にバイク屋の社長がいっぱいいるのに、バイク屋に頼るのが嫌になったんですよ。混んでて待たされたり、タイヤを変えるだけでも腹が立ってきて、じゃあ自分で何十万もする中古のタイヤチェンジャーを買って家に置いて変えればいいんだってなりました。人に頼りたくなくなったんですよね」

希少な部品も自ら動き…「職人の親父に酒を飲ませて聞き出して」
旧車の部品調達についても、自らの足と人脈でプロ顔負けの裏技を駆使し、独自のガレージライフを満喫している。
「金属は業者にワンオフ(オーダーメイド)で削り出してもらったりしています。表に出ない情報があって、廃番になったスズキのエンジンの大事な部品に、カワサキの全く違う年式の部品が合うとか、10年後のスズキの部品がつくとかがあるんです。そういう情報を、職人の親父に酒を飲ませて聞き出してます。バイクは乗るより作っている方が楽しくて、家に稼働するのは4台置いています。750と1100、250のオフロード、あと900ですね。それとは別に125のオフロードを友達と共有して、コースで友達の子どもに貸してやったりしています」
舞台の仕事にも通じる「人に頼らない独立性」は、彼のライフスタイルそのものだ。そんな大鶴にとって、タイトルにもある“幸せのタネ”とは一体何なのだろうか。
「自分の身体や、色々なものを大事にするようになったことですね。30代の頃は未来が見えてないから無茶もしましたが、今身体を壊して3年できなくなったら役者ができなくなってしまいますから。勢いがなくなっても、大事なものができたということだと思います」
最後に、舞台俳優としての究極の目標を清々しい表情で語ってくれた。
「今トップレベルでやっている石橋蓮司さんや柄本明さんのような大御所たちは、舞台という役者として生きていく基礎工事がしっかりしています。お金や人気、収入に心が揺さぶられない、あのようなポジションに行けたら100点満点ですね」。酸いも甘いも噛み分けた大鶴が舞台上でどんな生き様を見せるのか、期待が高まる。
□大鶴義丹(おおつる・ぎたん)1968年4月24日、東京都出身。『首都高速トライアル』(88年/金澤克次監督)で本格映画デビュー。以降、映画やテレビドラマ、舞台、さらに映画監督、小説家としても活躍。近年の主な出演作に映画『ウスケボーイズ』(2018年/柿崎ゆうじ監督)、『日本独立』(20年/伊藤俊也監督)、『めぐみへの誓い』(21年/野伏翔監督)、ドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(22年/フジテレビ系)などがある。5月30日から舞台『十二人の怒れる男』(銀座・博品館劇場)の公演を控える。
【公演情報】
舞台『幸せのタネ』
日程:2026年4月22日(水)~26日(日)
劇場:新宿村LIVE(東京都新宿区北新宿2-1-2)
脚本:西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM)
演出:藤井仁人(TAIYO MAGIC FILM)
出演:大鶴義丹、杉江大志、岩田華怜ほか
チケット:プレミアム席3万円、SS席1万3000円、S席8000円、A席6000円、見切れ席5000円
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