金子恵美、少子化問題に直言 “不妊治療費の補助”は「どう国が責任を持ってやるか」

金子恵美は批判と誹謗中傷はまったく違うと話した【写真:ENCOUNT編集部】
金子恵美は批判と誹謗中傷はまったく違うと話した【写真:ENCOUNT編集部】

「不妊治療費の補助についても切り込んでいくことが大事」

――日本の大きな課題の一つである、少子化・子育ての課題には何が必要ですか。

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「女性政策の面で、少子化対策、子育て支援というものはずっと言われてきていると思います。ただ、まだまだ不十分なのは間違いないと思っています。本当に少子化対策をやるとなった時には、今までの考え方に基づく対策・支援だけでは足りません。私が言っていることは、子育て支援の前の段階である不妊治療の問題です。細かい話ですが、不妊治療費の補助についても切り込んでいくことが大事です。一つ挙げるとすれば、不妊治療をどう捉えて、どう国が責任を持ってやっていくのか。そういった課題にスポットライトを当てていくことは重要です」

――安倍晋三首相が持病の悪化を理由に退任となりました。新しい日本のリーダーに求めることは。

「新しい総理には、果敢で大胆な改革、規制改革をやっていただきたいです。それに、これだけ社会の価値観が変わってきているので、今までの政治行政の踏襲ではいけません。これまでなんとなく進んできた日本の政治ですが、このコロナ禍をへて、まったく違う時代が始まるわけなので、日本を引っ張っていくリーダーであり、政治じゃないといけないと思います

 また、菅義偉新首相は、自民党総裁選への立候補会見で、『官房長官は、役所の縦割りをぶち壊すことができる』とおっしゃっていました。これまで国の中枢を約8年も支えてきた人だからこそ言える内容だなと思いました。みんなやらないといけないことは分かっているんですよ、でも、官僚や省庁の壁があります。そこに対してはドラスティックな改革が必要です」

――現在の日本社会は、過剰報道やインターネット上の誹謗中傷が深刻です。気にするな、と言われても、気にせざるを得ない状況に追い込まれる部分もあると思います。どうすれば、人が亡くなってしまうような悲劇を防ぐことができるのでしょうか。

「悲劇が起きてしまった方々がいらっしゃるので、その方々のつらさは分からない部分もあるので、慎重に話さないといけないです。一概には言えないのですが、まず一つは、自分の考えというものをしっかり持つことだと思います。個々人に関して言えば、自分がこうだと思う絶対的な価値観・信念を持つこと。それが自分の自信につながっていき、他人からどう言われようが、それはいち意見でしかないと思えるようになります。もちろん、IT社会の中で、リテラシーの部分は教育の中でも教えていく必要があります。

ただ、批判と誹謗中傷はまったく違います。誹謗中傷はあってはなりません。批判の意味合いであれば、そういう意見もあるんですね、というぐらいの心の持ちようであればいいのかなと思います。すべての軸は、自分の意見に自信を持つこと、自分を信じることだと思います」

――相手に必要以上に攻撃的になるのではなく、より寛容な社会になることが求められます。

「今回の本のあとがきにも書きましたが、社会が不寛容になっていると感じることが多いです。それに、安倍さんに関して言えば、『政治家には何を言ってもいい』ということではないですよね。政治家は批判されて当然です。政策的に何か間違っていれば当然批判されます。ただ、健康のことに関しては別です。総理だって1人の人間です、人権もあります。それなのに健康を害したことについて、なんでも言っていいのか。それが認められてしまうのは、私はおかしいことだと思います。安倍さんのことだけでなく、みんなが心をギスギスにしないことが大事ではないでしょうか。もっとおおらかになる世の中になってほしいです」

□金子恵美(かねこ・めぐみ)1978年2月27日、新潟県生まれ。42歳。早大卒。2012年に衆院議員に初当選し、総務大臣政務官などを歴任した。昨年に政界引退後は企業顧問やコメンテーターなど幅広く活躍している。10月5日に書籍「許すチカラ」(集英社)を刊行。

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