TAKAHIRO初の長編単独主演作「僕に、会いたかった」で無精ひげを伸ばしたワケ

(C)2019「僕に、会いたかった」製作委員会
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 ファンが真っ先に驚いたのは、無精ひげ姿だろう。初号試写を観たTAKAHIROも「自分じゃないみたいだ」と思ったそうだ。ひげについては「オフのときに生やすことはありますが、ここまでガッツリ生やすことはないです。髭のイメージがまったくないので、髭を生やすと全くばれないんですよ(笑)。変装に使うのを今回出してしまったので、今後どうしようかな(笑)」と話している。口髭とあご髭は自前で、繋がる部分は付けひげだという。

 役の上で無精ひげを伸ばしたのはこんな理由だ。物語のキーとなるのは12年前に起こった海難事故。主人公はこの事故によって、記憶をなくしてしまう。その12年前の事故シーンとのギャップを出すために、外見的な変化をつけたのだ。おそらく、本人としては、“ファンをいい意味で裏切りたい”、“いつもとは違った姿を見せたい”という思いもあったのだろう。

(C)2019「僕に、会いたかった」製作委員会
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 そんな外見のイメチェンは分かりやすい要素だが、一番苦労したのは、主人公の台詞が極端に少ないことだった。記憶を失っている設定だから、べらべら喋るわけもない。「記憶喪失の方は、これは僕のなかの勝手な想像ですけれど、恐らくずっと無の感情なのではないかと思って。そこに少し哀愁を醸し出すためにはどういった努力が必要で、どうすればたどり着けるのか…そこがいちばん難しかったです」。

 そんな悩めるTAKAHIROを導いたのは、ベテランの錦織監督。根っからの明るさを持つベテラン監督は「大丈夫だから、自信を持ってやろう」と導いた。事あるごとに相談したそうだが、実は困ったこともあった。「『監督、ここのセリフは……』と相談したときに、『なくそう。本当は喋らない方がいいんだ。できるだけ、削りたい』とおっしゃって、ここは削れるなという部分はどんどん削っていったんです。僕的には喋らないと間が持たないので、『台詞をなくすつもりで相談したわけではなく、他に言い回しがある気がして、池田徹としての言葉を見つけたかったんです』と伝えると、監督は『池田徹はしゃべらない』と。相談する度に、台詞が削られていくのはつらかったです(笑)」。

(C)2019「僕に、会いたかった」製作委員会
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 俳優としても、テレビ、映画などマルチ展開した総合エンタテインメント「HiGH&LOW」の雨宮雅貴役で鮮烈な印象を残し、2017年には「MOJO」で初主演、初舞台を経験したTAKAHIROも、本作は「ターニングポイントになった」と語る。「僕も、喋り倒す映画よりも、表情や動き、目や背中で見せる映画の方が好き。だからこそ個人的にすごく観たい映画を撮れた気がしました。こういう長編のヒューマンドラマで、自分がどこまでやれるかを試してもみたかった。さらに個人的な挑戦というよりも、錦織監督と初タッグを組み、監督にたくさん自分を引き出して頂けたことも今後の自信につながりました」。

 本作に続いて撮影された時代劇エンターテインメント映画「3人の信長」(9月20日公開)では時代劇にも初挑戦。今後、TAKAHIROが俳優として、どんな活躍を見せてくれるのか、ファンも注目していることだろう。

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(平辻 哲也 / Tetsuya Hiratsuji)

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