【プロレスこの一年#12】アスカ、佐々木健介、小橋建太、越中詩郎が大ブレーク「復活」に沸いた2007年のプロレス界

アントニオ猪木は新団体IGFをスタートさせて復活

 この年は、新日本創設者であるアントニオ猪木の新団体IGFがスタート。話題のIGFは6・29両国で大々的に旗揚げ戦を行ったのだが、カードは二転三転しまさかの当日発表。それでもメインではブロック・レスナーVSカート・アングルというアメリカでも実現不可能な元WWE勢の究極カードが組まれ、試合内容でも観衆を魅了した。終わってみれば大成功の印象も与えたものの、バックステージではもうひとつ、だめ押しのハプニングが発生していた。IWGPヘビー級王座を剥奪されていたレスナーが、勝者アングルにベルトを勝手に贈呈。もちろん無効となったが、「一寸先はハプニング」を象徴する出来事として記憶されることとなる。その後もIGFはビッグマッチを連発するも、猪木が試合内容や不可解な裁定に苦言を呈する場面が目立った。それでも猪木が「1、2、3,ダー!」を決めれば会場は盛り上がる。ある意味、IGFで復活したのが猪木だったのだ。

 復活の年のクライマックスはなんと言っても年末の小橋建太だろう。前年6月に腎臓がんが明らかになった小橋は7月に摘出手術を行った。闘病生活が続いていたが、07年10月27日のNOAH武道館に来場し、12・2同所での復帰戦をアナウンス。奇跡の復活はプロレス界のみならず一般メディアも注目した。しかも小橋&高山善廣組VS三沢光晴&秋山準のタッグマッチはこの年のベストバウトに選出された。勝負には敗れたものの、大病に打ち克った小橋の闘志は大きな感動を呼んだのである。

 そして、大晦日の「Dynamite!!」では船木誠勝がヒクソン・グレイシーに敗れての引退以来、7年半ぶりのリング復帰。桜庭和志のチキンウイングアームロックに敗れるも、翌年のプロレス本格復帰に向けての予告編となったのである。(文中敬称略)

次のページへ (4/4) IGFで実現したブロック・レスナーとカート・アングル
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