195センチ「日本の大巨人」プロレスラーが銀行員から支持を集めるワケ

「日本の大巨人」石川修司。現在、リングで暴れている日本人選手の中で、1、2を争う巨体を誇っている。195センチ、130キロと、バランスの取れたスーパーへビー級戦士である。

東京・深川不動尊にある特大わらじも石川修司と並ぶと並?の大きさ【撮影:柴田惣一】
東京・深川不動尊にある特大わらじも石川修司と並ぶと並?の大きさ【撮影:柴田惣一】

豪快なリング上から一転…

「日本の大巨人」石川修司。現在、リングで暴れている日本人選手の中で、1、2を争う巨体を誇っている。195センチ、130キロと、バランスの取れたスーパーへビー級戦士である。

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 全日本プロレスの3冠ヘビー級、大日本プロレスのBJW認定デスマッチヘビー級、BJW世界ストロングヘビー級、DDTのKOーD無差別級……各団体のシングル王座を始め、タッグ王座も獲得してきた。

 現在は全日本に所属し、世界タッグ王座を保持している。大きくて強い。人柄も定評があり、日本マット界を代表するレスラーの1人だ。

 ところが、リング上の豪快な姿からは、想像しにくい、怖いものがある。地震、雷、火事、親父、お化け、虫……ではなく、歯医者が怖いのだ。

 ある日の試合前「後楽園に行く前に歯医者で歯を抜くんです。怖い~」と、メールを送りつけられた知人がいる。「あんなに大きいのに歯医者が怖い? 何てかわいいの!」と、そのギャップに吹いてしまったという。

 その日の試合はタッグマッチで、大日本の岡林裕二との対戦だった。心なしか、石川の頬が腫れていた。歯を抜いたことを知ってか知らずか、岡林は顔面にエルボーをガンガン入れる。

「やめて~! 今日だけはそれやめてあげて~!」と、知人はヤジでも声援でもない不思議な声を上げ、周りから不審がられたそうだ。

 地方大会から帰郷する最終の新幹線で、石川と同じ車両に乗り合わせたことがある。石川が車内販売で買い求めたアイスクリームがコチコチに凍っていた。

 小さなスプーンを熱心にカチカチ、カチカチと小刻みに当て、ほじって食べていた。これまた同じ車両に座っていた征矢学が「石川さん、かわいい…」と、ふと漏らした。確かに子供向けアニメの1シーンのようだった。

 温和で優しい常識人。リング内では大暴れだが、リングを降りれば、礼儀正しく、柔らかな物腰。そのギャップに驚く人も多数いる。

 石川には銀行員のファンが多い。みなさん口を揃えて「大きくて安定した強さで、リスクも少なく、安心して任せられる感じ」と、共通認識がある。どうも「安定の利回り。リスク分散で安心の資産運用」という謳い文句の金融商品のイメージらしい。

 石川はいい年の重ね方をしていると評判だ。渋みも増し、ロマンスグレーの紳士という風格も出て来た。

 リング内でも、キャリアを積んだ熟練の試合運び。最近は諏訪魔との「暴走大巨人」で、タッグのイメージが強いが、まだまだ「全盛期」。シングルのベルトも狙ってほしい。

次のページへ (2/2) 【画像】リングの外では…?
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