コロナを経験した住吉美紀が考える感染原因は「ストレス」 闘病を経て実感したこと

新型コロナウイルスに感染して4月19日に入院し、約2週間、入院したフリーアナウンサーの住吉美紀に感染経験を取材し、3回にわたって紹介する企画。最終回の今回は、感染後の仕事や自身の内面の変化、住吉が推測する感染原因などを紹介する。まずは住吉がパーソナリティーを務めるTOKYO FM「Blue Ocean」の変化を聞いた。

復帰後は“時々リモート”を実践していると語る住吉美紀【写真:荒川祐史】
復帰後は“時々リモート”を実践していると語る住吉美紀【写真:荒川祐史】

感染当初の心境、入院生活、闘病で学んだこと、備えなどを3日連続で紹介

 新型コロナウイルスに感染して4月19日に入院し、約2週間、入院したフリーアナウンサーの住吉美紀に感染経験を取材し、3回にわたって紹介する企画。最終回の今回は、感染後の仕事や自身の内面の変化、住吉が推測する感染原因などを紹介する。まずは住吉がパーソナリティーを務めるTOKYO FM「Blue Ocean」の変化を聞いた。

「今はスタジオに戻って放送していますが、住吉が大変な思いをしたチームとして、ただ元に逆戻りするのは嫌だ。何かしたいという気持ちがみんなにあり“時々リモート”というシステムを考え出しました。月に2、3回あえて私の家からリモート放送して、その日だけでもなるべく出社する人数を減らす。そのことで、いつまたリモートになってもすぐに高いクオリティーで対応できる。防災訓練のようなものですね。そして、聴いている人たちにとっても“時々リモート”という言葉を聞くことで、そうだ、まだ通常じゃないから私たちも、もう少し在宅でできることを考えようか、出勤かリモートの2択ではない、ハイブリッドな働き方がないかと考えてもらうきっかけになればという思いです」

 今回の経験は住吉の内面には、どんな変化をもたらしたか。

「1度、私自身が人間として電源オフして、再起動したような感覚です。1週間以上同僚や友達との連絡も絶たれ、ネットやメディアの情報からも遮断され、何もできない状態にありましたので。(その後)まず呼吸が楽だとうれしい。ごはんがおいしいと幸せ。窓から見る木や空などの自然の美しさに感動し、本当に元気になる。というところから構築していきました。普段できていたことのありがたさが、ものすごく染みています。もしかしたら日々の小さな多幸感は増えたかもしれないと感じています。コーヒーをいれておいしいな、ああ幸せとか。猫がかわいくて幸せとか。何でもなかったような1つ1つが幸せと思える。人生にとって貴重な経験になりました。感覚がシンプルになったというか、大事なことに時間をゆっくりかけて幸せを味わえるようになりました」

 見直した生活の中で特に大事にしたいと感じるのは、やはり友だちか。

「仲良しの友だちは、より時間も労力も心も割いて大事にしたい。今回のことで、多分、年が近い女友だちは、一生支え合っていく付き合いだなと実感したんです。子どももいない同士だと、お互い老後も介護し合ったりするなと。もはや従来とは違う意味での”家族”だなと感じて、身内のように大事にしたい、関わり合って生きていきたいと思いました。今、社交はあまりできませんが、まあ、性格的なこともあって、私にとっては、広く浅く人付き合いをする、ということはそんなに重要なことではなかったかもしれないということにもあらためて気付きました。仕事も多数の仕事をするより、思い入れのある仕事に、こだわりを持って、そこに時間と心を割く方が、幸せ感が高いなとか」

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