お笑い芸人の藤井隆とタレントの井上咲楽が司会を務めるABCテレビ・テレビ朝日系『新婚さんいらっしゃい！』（日曜午後0時55分）の22日放送回には朝ドラや大河ドラマなど数々の名作に出演してきた俳優の前田吟と1969年デビューした歌手の箱崎幸子夫婦が登場する。

　出会いは一昨年の成人の日。15年間患っていたがんで前妻が亡くなって半年が経ち、寂しさから吟が荻窪のスナック街へ出かけたときのこと。好みの女性が2～3人の男性連れで路地へと消えていく。眺めていると1軒のスナックの電気がついたため、そこのママさんかと思い入店。するとマスターが「俺だよ！」と声をかけにくる。

　運命的な再会に驚くなか、店内で歌っていたのが幸子だった。同じくがんで前夫を亡くし、いわき市に住んでいたものの、東京に来る機会があればぜひと乞われ、小さなショーを開いていた。

　結局ろくに話せず、帰り際にCDをもらうに留まるが、聴けば沈んでいた気持ちに明かりが灯り、幸子への恋心を確信。毎夜、聴きながらスマホで彼女の記事やらYouTubeやらを調べまくったという。

　しかし連絡先もわからない。そこでスナックで再会した旧知の仲間に電話し、幸子の電話番号を聞きだそうとするが、その理由として語ったことが、とんでもないデタラメ。あまりの大嘘に、MC藤井も「僕が知ってる前田吟さんと全然違う！」とショックを隠しきれない。しかし「歳も80近いから」と手段は選ばず、電話での猛アタックをスタートさせる。

　当の幸子は、知らない番号からの度重なる着信を不審に思いつつ、あまりにしつこいので出てみたところ、「前田吟です。結婚を前提にお付き合いできませんか」と即プロポーズ。呆れる幸子をよそに、なんとか会う口実をつくろうと、エサにしたテーマが「健康」で……。

　MC井上なら「うるせぇ！」と一蹴してしまうくらいの大きなお世話提案だったが、健康に不安を覚えていた幸子は、なんと胸キュン。渋谷に来る予定があった3月末、ハチ公前で待ち合わせることになった。念願の初デートだと、吟はプランを熟考。「一番接近できる」と選んだ内容とは。

　さらに電話番号を聞きだすために語った大うその話も、実は水面下で進めていた吟。次のデートのエサにし、4月末、今度は埼玉での食事＆ドライブとなったが、妻が車酔いをしてしまい。しかしこのアクシデントが功を奏し、2人の恋を進展させる。

　その後、電話でのお付き合いを続けたものの、告白の返事をまだしていなかった幸子。でも会えないため、パーソナリティーを務めていたラジオ番組で、「私の今の気持ちを1曲の歌で伝えますから」と、ある名曲をカバー。スタジオでは、その実際の音源が披露された。

　しゃれた返事に惚れ直した吟さんは、この曲を4人の子どもたちに電話で聴かせ、「この人と結婚するから」と宣言。言葉通り、交際わずか3か月でゴールイン。かつて幸子さんの電話番号を聞き出すためについた「大うそ」も昨年、実現させたそうで、2人は仕事のパートナーとしても活躍している。

　新婚生活で1番幸せなのは、朝ごはんだと語る2人。その映像を見て、MC藤井も「憧れます！」と勇気をもらったラブラブっぷりだった。