夏の甲子園中止…今こそ観て欲しい「高校球児にも寄り添える」さえない4人の物語

コロナ禍のため全国高等学校野球選手権大会が中止となった今夏。今こそ観て欲しい映画が「アルプススタンドのはしの方」(7月24日公開、城定秀夫監督)だ。高校野球夏の甲子園大会一回戦、夢の舞台でスポットライトを浴びる選手たちを観客席の端っこで見つめる、さえない4人(小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里)の物語。その一人、元野球部員役を演じたのが若手注目株の平井亜門だ。

平井亜門【写真:山口比佐夫】
平井亜門【写真:山口比佐夫】

平井亜門インタビュー、映画「アルプススタンドのはしの方」

 コロナ禍のため全国高等学校野球選手権大会が中止となった今夏。今こそ観て欲しい映画が「アルプススタンドのはしの方」(7月24日公開、城定秀夫監督)だ。高校野球夏の甲子園大会1回戦、夢の舞台でスポットライトを浴びる選手たちを観客席の端っこで見つめる、さえない4人(小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里)の物語。その1人、元野球部員役を演じたのが若手注目株の平井亜門だ。

――出演の経緯は?

「出演した映画『左様なら』のプロデューサーから声をかけていただきました。『左様なら』の舞台あいさつを見て、『声がいい』ということで、また呼んでくれたみたいです。ただ、真偽は不明なんですけれども(笑)。今、24歳なんですが、『左様なら』でも高校生役をやっていて、割と高校生に見えるのかな」

――脚本を読んだ感想は?

「もともと全国高等学校演劇大会で最優秀賞と伺っていましたが、映画化にあたって、脚色されたと思いますが、小説を読んでるみたいに面白い作品だなと感じました」

――演じたのは元野球部の藤野。どんな男の子ですか?

「自分が高校生の時とは真逆かな。現実主義というか、夢を諦めることに対して潔い。僕自身は、すごい夢見がちな少年だったので。高校時代の自分って、幼すぎて、今の自分の方が、高校生の藤野くんには近いかなっていう感じでしたかね」

――「はしの方」にいる人じゃなかったでしょ。

「はしの方には居ないにしても、クラスで『ウエー!』というノリでいるような子でもなく、誰とでも話すような男の子だったかなあ。高校時代って、微妙にカーストがあるじゃないですか、僕は上にも下にも属してないなっていう感じでしたかね。この映画の藤野のどこにも所属してないので、そういう意味では近いかな」

――実際の撮影は甲子園ではなく、平塚球場で行われたそうですね。どんな感じでした?

「10月の頭から1週間ぐらいだったかな。合計で5日間。ちょうど台風シーズンで風も結構強かった。何度かバーッと急にゲリラ的に雨が降ってきて、エキストラさん含め、一斉に大移動することが何度かありました。僕、普段、12時ぐらいに起きるんで、朝6時前に渋谷集合がきつかった。毎回、ゾッとしていました(笑)」

――ご自身と野球の繋がりは?

「お父さんとおじいちゃんが巨人ファンってことくらいですかね(笑)。自分自身は小中とサッカーをやっていました。映画の中では、何度も素振りをするシーンがあるじゃないですか。僕、本当に貧弱すぎて、帰ったら筋肉痛になっちゃって、これはやばいと思いまして、その日から、マジで筋トレ始めました(笑)。この筋肉量のなさは、日常生活に支障をきたすなと(笑)」

――完成した作品はどう観ましたか?

「今までは、自分がどう映っているかが気になってしまって、映画としての情報が入ってこなくて……という感じだったんですけど、この映画は1回目から楽しめ、笑って観られました」

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