女優の倍賞千恵子がBS朝日のドキュメンタリー番組「ザ・偉人伝　名優　藤田まこと　渥美清　人生を変えた出会い！！」(8月9日午後9時放送)に出演することになり、このほど、「男はつらいよ」シリーズのロケ地でおなじみの東京都葛飾区柴又で収録が行われた。

　同番組は、国民的な人気を集めた藤田まことさん、渥美清さんの波乱万丈な人生を紐解きながら、その転機になった出会いを明らかにするもの。倍賞は「男はつらいよ」シリーズでは、車寅次郎の妹・諏訪さくら役を演じたほか、主演の松竹映画「稲妻」では藤田さんと共演している。

　倍賞はシリーズ50作「男はつらいよ お帰り寅さん」を記念したピンク色のTシャツを着て、ロケに登場。柴又帝釈天門前参道商店街神明会をぶらりと散歩し、なじみの店主たちと近況、思い出話に花を咲かせながら、参道、帝釈天、江戸川の土手を歩いた。旅に出る寅さんと、それを見送るさくらの銅像がある京成・柴又駅前の収録では、渥美さん、寅さんの思い出に浸って、感慨深げな表情も。

「男はつらいよ」の舞台のだんご店「くるまや」のモデルで、柴又ロケの拠点としても使われた「高木屋老舗」ではインタビューを収録。今も都電が走る下町、東京都北区滝野川生まれの倍賞は、児童合唱団に入り、SKD(松竹歌劇団)を目指した少女時代から、渥美さんとの出会い、別れまでを語った。渥美さんを「渥美ちゃん」「お兄ちゃん」と呼ぶ倍賞。「どういう風に自分でも分けているのかな。俳優としては、『渥美ちゃん』だけど、兄貴みたいなことを、言われると、『お兄ちゃん』になってしまうし、『あの人』ともよく呼んでいる、と言われます。『あの人』の中にそういうものがあるんでしょうね」と振り返る。