山崎賢人、松岡茉優が共演する映画「劇場」のリモート初日舞台あいさつが17日、東京・渋谷のユーロライブで行われ、山崎賢人、行定勲監督が登壇。劇場公開と同日にAmazon Prime Videoで全世界独占配信となり、山崎は「全世界の人に伝わっていけばいい」と話した。

　本作はお笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹の大ベストセラー「火花」に続く第2作「劇場」の実写映画化。劇作家を目指す主人公・永田（山崎）と、彼に恋をして必死に支えようとする沙希（松岡）の、生涯忘れることができない恋を描く。当初は4月公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。都内を中心に新型コロナウイルスがいっそう蔓延している状況もあり、イベント自体は無観客。司会者もマスク着用するなど徹底した対策を講じての開催。この模様は同じビルにあるミニシアター「ユーロスペース」と中継が結ばれた。

　全国のミニシアターを中心とした20館規模公開と同日にAmazon Prime Videoでの全世界独占配信に、山崎も感慨深げ。「感染対策をして、劇場で観てほしい作品です。こうやって初日を迎えられることをうれしく思います」と話した。演じた永田については共感したといい、「人間の弱さもそうだし、表現するという意味でも近い部分がある。普段抱えている感情がいっぱいあって、やりたいシーンがいっぱいあった。人間って愚かな部分はいっぱいあるが、ここまで愚かな部分を出せたのは初めて」と振り返った。

　舞台あいさつでは、松岡のビデオメッセージも流された。「私は新しい仕事で鎌倉にいます。私も行きたかったです。いろんな大人たちが悩んで導いた答えが単館系公開と配信なんだと思います。海外の人にも観てもらえることがうれしいと思います。行定さんが大事にしている映画が公開を迎えられてうれしいです。どうしようもない思いを抱えた7年間の物語です。この映画を観て、過去と向き合うのもいいんじゃないかな、と思います」とアピールした。