渋谷凪咲、“おバカ”イジりに感謝 バラエティーでの活躍「個性に気づかせてくれた方々のおかげ」
昨年12月にNMB48を卒業した渋谷凪咲が、今月19日公開の映画『あのコはだぁれ?』(清水崇監督)に主演している。ジャパニーズホラーのヒットメーカー、清水監督による学園ホラーで、NMB48のバラエティークイーンだった渋谷がイメージと大きく違う作品に挑戦。映画初出演で感じたことや、グループ卒業時の目標「新しい自分を見つけたい」についても語った。
清水崇監督に手紙をもらい映画『あのコはだぁれ?』で教師役
昨年12月にNMB48を卒業した渋谷凪咲が、今月19日公開の映画『あのコはだぁれ?』(清水崇監督)に主演している。ジャパニーズホラーのヒットメーカー、清水監督による学園ホラーで、NMB48のバラエティークイーンだった渋谷がイメージと大きく違う作品に挑戦。映画初出演で感じたことや、グループ卒業時の目標「新しい自分を見つけたい」についても語った。(取材・文=大宮高史)
――『あのコはだぁれ?』は『呪怨』などを手掛けた清水崇監督によるホラー作。いきなりですが、渋谷さんに「ホラー耐性」はありますか。
「見ることはできるんですが、まだ1人で見る勇気はありません(笑)。いつも家族や友達と一緒です。初めて見たホラー映画が『呪怨』で、その後も清水監督の作品を見てきたので、あのジャパニーズホラーの世界にいられることがうれしいです」
――出演へのきっかけは。
「私は2年前、『ぐれいてすと な 笑まん』というNMB48と吉本新喜劇のコラボミュージカルに出演していました。それを見ていた松竹のプロデューサーさんが『お笑いにも芝居にも全力なところが、この作品の君島ほのかにピッタリだ』と思ってくれたそうです。清水監督からも『あなたの新しい魅力を引き出したい』というお手紙をもらいまして、私は『勧めてくださった方々を信じてやってみよう』と決意しました。卒業を決めたきっかけが、『新しい自分を見つけたいし、お芝居もやってみたい』という思いだったので、こんなに早いタイミングでその目標が実現できました」
――君島ほのかは、夏休みの学校に赴任してくる臨時教師で、彼女と教え子の周囲で奇怪な出来事が発生していきます。どんな心境で撮影に臨みましたか。
「まず、『怖くてお風呂にも入れなくなるんじゃないか』と緊張しながら撮影に入りました。1か月に渡って映画を撮ったのも初めてで、何もかもが未知でした。今までバラエティーの立ち振る舞いしか知らなかったので、『歩き方から違うんだ』と監督やスタッフの皆さんのアドバイスで知りました」
――どのような違いを感じましたか。
「初めて撮ったのが、ほのかが学校に赴任して初めて教室に入ってくるシーンです。私は旅番組のレポートのように、明るい笑顔で演じてみたら、監督は『何か違うな』と。もっとしっとりと、心の中に思いを抱えて見渡すところなのに軽薄に見えたようです。私も『アイドル時代の気分じゃ、ダメだ』と思い、演技面は何でも監督に相談しました。おかげで、監督も私が素のリアクションだとどんな表情をするのかを分かってくださり、さらにホラーに合った演技を引き出してくれました。監督作の『ミンナのウタ』とも世界観がつながっていて、ただでさえ迫力がすごいので、作りすぎずに心の底から恐怖を感じている様を撮っていただきました」
――全編を撮り終えたときの心境は。
「『青春』でした。演者や照明、撮影と全員が良い作品のために『もっと、こう工夫できないか』と頭を使ってアイデアを出して映像になっていったので、NMB時代とはまた違う、人生の宝物が一つできました」
バラエティーでブレーク…「大喜利女王」になれた理由
――初めてのホラー映画で、主演を経験。渋谷さんにとって「新しい自分」は見つかりましたか。
「それは、この映画を見た皆さんから教えてほしいなと思います。私は自分からは『これが長所だ』と胸を張って言えるものを見つけられたことがほとんどなくて、周りの人からの客観的な評価で、貢献できることを見つけてきました」
――「控え目」というか、なかなか自分の長所を見つけられない面もあったのでしょうか。
「そうですね。今作で先生の役をいただいていますが、本当の私は勉強が苦手で(笑)。『苦手なところは隠さないと』と思っていた私の考え方が変わったのが、ラジオの『NMB48学園』でモンスターエンジンさんとご一緒してからです。4人でのラジオなので、私もしゃべらないと番組が進んでいかない中、どんどんおバカな発言をしてしまうんですね(笑)。でも、モンスターエンジンのおふたりが、私のおバカぶりをイジって笑いに変えてくれるので、『こんなことでも笑ってもらえるんだから、もっと、素直にしゃべろう』と思えたきっかけでした」
――その後、バラエティー番組でもブレークして、「大喜利女王」とも呼ばれるようになりました。
「まず、クイズ番組によく呼んでもらえるようになりました。ただ、勉強ができないので自分の頭で必死で答を考えるんですが、それが珍回答ばかりになって(笑)。そんな私を麒麟の川島明さんが『大喜利や。面白い』と言ってくださって、バラエティーのお仕事に自信がついてきました。ここまでお仕事をいただけているのは、個性に気づかせてくれた方々のおかげです」
――となると、『あのコはだぁれ?』での反響も楽しみですね。
「映画でのお芝居自体がほぼ初めてなので、皆さんがスクリーンの中の渋谷凪咲にどんな感想を持ってもらえるかですね。熱気ある現場だったので、不安よりもワクワクの方が大きいです。舞台出演がこの映画につながったように、頑張りを見てくれる人のおかげで、私は新しい体験ができています。だから、これからも未知の環境にチャレンジして、多くの人に必要とされる存在でありたいです」
□渋谷凪咲(しぶや・なぎさ) 1996年8月25日、大阪府生まれ。2012年、NMB48に4期生として加入。以降はグループの中心メンバーとして活動。フジテレビ系番組『イタズラジャーニー』、日本テレビ系『DayDay.』など多くのレギュラー番組に出演。23年4月期の日本テレビ系連続ドラマ『だが、情熱はある』では、山里が好意を抱く相手役を演じた。同年12月、NMB48を卒業。血液型A。