元シドニー五輪競泳日本代表「私のSNSにも心無い言葉」 結果に悔しいのは「アスリート本人」

元シドニー五輪競泳日本代表の萩原智子さんが28日、Xを更新。パリ五輪が26日(日本時間27日)から開幕しているが「私のSNSにも心無い言葉が届いています」と明かした。

萩原智子氏【写真:インスタグラム(@swimmer_hagitomo)より】
萩原智子氏【写真:インスタグラム(@swimmer_hagitomo)より】

池江璃花子には「拍手を送りたい」

 元シドニー五輪競泳日本代表の萩原智子さんが28日、Xを更新。パリ五輪が26日(日本時間27日)から開幕しているが「私のSNSにも心無い言葉が届いています」と明かした。

 萩原さんは「パリオリンピックが始まり、私のSNSにも心無い言葉が届いています。私自身の気持ちを伝えさせてください。パリオリンピック…沢山の方々に応援していただき、元アスリートとして嬉しく思います。ありがとうございます。応援の仕方は十人十色…私は2000年シドニー五輪で4位。悔しくて情けなくてドン底のまま帰国した時、『国の税金使って行ってるのにメダルの1つや2つ取ってこれなくてどうするんだ』と初対面の方に言われました。突き刺さる言葉に心が壊れましたが、それ以上に多くの温かい言葉に救われ、私は今、生きていられます」と振り返った。

 そして「決勝に立てるのはひと握り…そしてメダルを獲得できるのはほんのひと握り。結果が出なくて1番悔しいのは、アスリート本人です…アスリートは目標に向かって必死でチャレンジしています。結果が出なくてもいいや…なんて思っているアスリートはいないんです。不安や怖さを乗り越え、世界の舞台でチャレンジしているアスリート達に拍手を送ってあげたい…私はそう思います。立場が逆だったらどうなんだろうか、と、言葉を発する前に少しだけ考えてみませんか?」と呼びかけた。

 また、パリ五輪の競泳女子100メートルバタフライの準決勝で敗退した池江璃花子については「池江璃花子選手、お疲れ様でした。この場で泳げていることが、どれだけすごいことか。拍手を送りたいです。大切に懸命に積み重ねてきたからこそ、目標に届かず悔しい想いが溢れていました。今はまだ難しいと思いますが、心が落ち着いた時、ここまで頑張ってきた自分自身のことを褒めてあげてほしいなと思います。ここまでの努力は消えないから…」とメッセージをつづっていた。

 萩原さんは1980年生まれ。山梨県出身。2000年シドニー五輪、200メートル背泳ぎ4位、200メートル個人メドレーで8位入賞。02年日本選手権では、100メートル、200メートル自由形、200メートル背泳ぎ、200メートル個人メドレーで史上初の4冠達成。「ハギトモ」の愛称で親しまれ、04年に現役引退。5年の歳月を経て、09年現役復帰宣言。30歳にして日本代表に返り咲いた。順調な仕上がりを見せていた矢先、五輪前年である11年4月に、子宮内膜症・卵巣のう腫と診断され、手術。手術後は精力的にリハビリに励み、レース復帰。13年日本水泳連盟理事に就任。14年日本知的障害者水泳連盟理事就任。15年東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アスリート委員に就任。2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、競泳界史上初、両大会での解説を行い、初の女性解説者となった。

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