【映画とプロレス #21】「ファイティング・with・ファイア」ジョン・シーナが消防士に扮したコメディ映画

(C) 2020 Paramount Players, a Division of Paramount Pictures. All Rights Reserved
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シーナは、森林消防隊の分署長ジェイク・カーソン役を演じた

「ファイティング・with・ファイア」でのシーナは、森林消防隊の分署長ジェイク・カーソンに扮している。殉職した父の夢を継ぐため消防士となった彼はある日、火災に包まれたキャビンで3人の子どもたち(姉、弟、末妹)を発見し、救出に成功する。両親とは連絡が取れず、悪天候から警察や病院にも運べない。さいわい子どもたちは無傷だったため、シーナは迎えが来るまで消防署で預かることにした。ファイヤーファイターがベビーシッターになったのだ。すると、子どもたちは消防署の備品をオモチャ代わりにやりたい放題。“4人の消防士VS3人の子ども”というハンディキャップマッチ状態に突入するのである。

 森林火災での消火は得意でも、やんちゃな子どもたちに手を焼くシーナたちの姿が作品の肝である。慣れない闘いに悪戦苦闘。シーナの表情や仕草は、ワイアットとの不思議試合「ファイヤーフライファンハウスマッチ」に被って見える部分もある。「YOU CAN NOT SEE ME(見えっこねえ)」のポーズも披露し、必要以上に筋肉を堪能させることで“プロレスラー”ジョン・シーナも潜在意識に訴える。映画はシーナの昇進話と森の生物学者との恋愛ストーリーも絡めて進行。必ずしも全員には伝わらないような小ネタを挟みながらも、いかにもファミリー向けらしいウェルメイドな着地をみせるのである。

 正直、評価的には芳しくなかったものの、割り切って観れば楽しめるポイント多数。“ハリウッドスター”として、いつかは通る道でもあるのだろう。なお、新型コロナウイルスの影響により延期されていた「ドクター・ドリトル」(20年)の日本公開が6月19日にスタート、週末の全国映画動員ランキングで初登場第1位を記録した。こんどのシーナは、シロクマだ!

 ご愛読いただいた「映画とプロレス」は今回をもっていったん休止、筆者のブログ「プロレスライター新井宏の映画とプロレスPARTⅡ」で継続します。

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