帰ってきた石井館長がK-1vsRISEの対抗戦を前に緊急提言「双方がダウンを取れなければ引き分けに」

7日、都内にてK-1プロデューサーのカルロス菊田氏、Krushプロデューサーの宮田充氏、K-1アドバイザー石井和義(正道会館宗師)氏、RISEの伊藤隆代表が出席し、10社以上の新聞社及び雑誌、ネットメディアなどの担当者とのランチミーティングを開催した。これは石井館長の音頭によって実現したもの。ミーティングでは活発な意見交換が行われた。

ランチミーティングに出席したK-1とRISEの首脳陣(左からK-1菊田P、Krush宮田P、RISE伊藤代表、石井館長)
ランチミーティングに出席したK-1とRISEの首脳陣(左からK-1菊田P、Krush宮田P、RISE伊藤代表、石井館長)

小中高校生はチケット代1000円

 7日、都内にてK-1プロデューサーのカルロス菊田氏、Krushプロデューサーの宮田充氏、K-1アドバイザー石井和義(正道会館宗師)氏、RISEの伊藤隆代表が出席し、10社以上の新聞社及び雑誌、ネットメディアなどの担当者とのランチミーティングを開催した。これは石井館長の音頭によって実現したもの。ミーティングでは活発な意見交換が行われた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 そもそも日本格闘技界における立ち技組織においては業界トップの2団体がメディア関係者を集めてミーティングを実施すること自体が異例だが、これは来週に迫った「RISE ELDORADO 2024」(17日、東京体育館)と「K-1 WORLD MAX 2024」(20日、代々木体育館)で実施される対抗戦に向けた、両陣営の本気度を感じさせた。

 実際、ミーティングでは注目すべきさまざまな意見が散見されたが、例えばRISEの伊東代表は、「RISE ELDORADO 2024」に関して、「小・中・高校生までの当日券は1000円」と話し、未来ある子どもたちに届けたい旨を熱く語っていた。これは特別キャンペーンの一環だという。

 また、Krushの宮田プロデューサーはSNSにおける選手の発信について、「選手個々にやってみたらいいんじゃないの、とか選手の個性を伸ばすアドバイスは与えるようにしています」と発言。宮田プロデューサーは3年ほど、K-1を離れていた時期があり、昨秋からK-1に復帰したが、俯瞰してK-1を見ることができたことで、K-1の足りない部分を徐々に補いはじめたところだろう。

 さらにカルロス菊田プロデューサーは、「もう一度、K-1のグローバルスポーツ化」を語りつつ、やはり選手から発信の仕方を相談されると明かし、タレントの高嶋ちさ子を例に挙げながら、「彼女は今、毒舌のタレントさんだけど、最初はしゃべれなかった。それが落語や漫才を死ぬほど見て、すごい勉強して、今はしゃべれるタレントになった」と続けた。

「K-1誕生の地」への凱旋を前に

 忌憚(きたん)のない意見が交わされるなか、石井館長が、K-1 VS RISEの対抗戦に関して特筆すべき持論を展開させた。

「皆さんのお叱りを覚悟で言わせてもらうとですよ。対抗戦のルールって、KOかダウンかで決めて、それ以外は全部引き分けにしたらいいと思うんです。そのほうが分かりやすいでしょ。対抗戦特別ルールにしたら、レフェリーがこっちが勝ったとか負けたとか(ジャッジの結果に)騒がなくていいし。

 お互いに倒せなかったんだったら引き分け。それでいいんですよ。引き分けなんだけど、実はあれは中村くんが押してたよね、あるいは与座くんのローキックが効いていたよね、とかそこはファンが騒げばいいので。僕たちもレフェリーも神じゃないので。しかもK-1とRISEのレフェリーがあるので。分かりやすくしてあげて」

 さらにこう続けた。

「もしダウンを取ったら、取ったほうが判定勝ち。10カウントを取ったら勝ち。それ以外は引き分けっていうのが、ファンは納得するし、選手も納得するし、双方納得するし、お互いが傷つかないし。ファンはどっちが勝つか見たいけど、勝ち負けにはこだわってないんだよね。闘っているヤツを見たいんだよ」

 これに関して、その場にいたRISEの伊藤代表は「将来的には検討できる」とし、直近の対抗戦での採用については明言しなかったが、振り返ると石井館長は、那須川天心VS武尊(2022年6月19日、東京ドーム)の直前にも同様の提案をしていた。その際に石井館長は、「アントニオ猪木VSモハメッド・アリ戦(1976年6月26日、日本武道館)が語られ続けてきたのも、引き分けだったからでしょ」と語っていたことを思い出す。

 いずれにせよ、日本格闘技界における立ち技組織においては業界トップの2団体が異例のミーティングを公開したことは、大きな山が動き始めた予兆でもある。20日には「K-1誕生の地」でもある代々木第一体育館にK-1が凱旋(がいせん)するが、これを機に、さらなる日本格闘技界の地殻変動が起こっていくとみた。

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