【週末は女子プロレス♯140】22歳での急逝から4年、木村花メモリアル大会を今年も「5・23」に開催 母が受け継ぐ娘の思い

2020年5月23日、22歳の若さで亡くなった木村花を偲ぶ大会が、今年も命日にあたる5月23日に東京・後楽園ホールで開催される。21年に始まり今年で4度目の開催となる大会のタイトルは、「木村花メモリアルマッチ テレマカシー▽(※▽=ハートマーク)」。今月6日には会見がおこなわれ、大会主催者であり、花の母親でもある元プロレスラーの木村響子が、今大会の実現を発表した。

「木村花メモリアルマッチ テレマカシー」の会見に登壇した木村響子【写真:新井宏】
「木村花メモリアルマッチ テレマカシー」の会見に登壇した木村響子【写真:新井宏】

大会名「テレマカシー」に込められた意味とは

 2020年5月23日、22歳の若さで亡くなった木村花を偲ぶ大会が、今年も命日にあたる5月23日に東京・後楽園ホールで開催される。21年に始まり今年で4度目の開催となる大会のタイトルは、「木村花メモリアルマッチ テレマカシー▽(※▽=ハートマーク)」。今月6日には会見がおこなわれ、大会主催者であり、花の母親でもある元プロレスラーの木村響子が、今大会の実現を発表した。

 21年に追悼の意味を込めた「またね」、22年にはインドネシア語で“最高”を表す「バグース!」、22年がラテン語の“~作”と花が好きなピンク色を掛け合わせた「Pinx!」で、“木村花作”、すなわち木村花ならではでの風景をリング上で描き出してきたメモリアル大会。今回もまた、母の木村響子が大会名を考案し、「テレマカシー」に決定。この名称は第2回につづき、父方のルーツとなるインドネシア語からの引用とのことだ。

「大会名『テレマカシー』は、インドネシア語で“ありがとう”という意味で、現地でよく使われる言葉なんです。もともとの語源には、“アナタの愛を受け取りました”という深い意味があって、これは、みんなから花に愛を届ける日でもあり、花からの愛がみんなに届く日でもあればいいなという思いで、テレマカシーというピッタリなインドネシア語をつけました。今回も、みなさんの気持ちを伝えられる場所を丁寧に作っていきたいと思います」

 大会名の意味とともに、今大会の意図を会見で話した響子。大会の収益は過去3回と同様、花の名誉回復、裁判費用、NPO法人リメンバーハナの活動資金に充てられるとのことだ。

 新型コロナウイルス禍のなかで起きた悲しい出来事。こんどの大会が行われるときには、あれから4年の歳月が流れることとなる。第1回&第2回大会ではかなわなかった声出し応援も、昨年の第3回大会でようやくかなった。今回ももちろん、声を出してのコールや声援が可能となる。戻ってきた日常が時の流れを感じさせるが、4年連続4回目となるメモリアル大会の開催にあたり、響子はいったいどんな思いでいるのだろう?

「最初の頃はずっとコロナの問題があって、やっと規制がなくなったかと思ったら、いますごく悲しいニュースが続いていますよね。そんな中で、私も含めて少しでもみなさんの癒やしとか、元気とか、勇気とか(になればいい)。花もプロレスラーになって、よく言ってたんですよね。『マイノリティーの人や苦しんでいる人、悩んでいる人に少しでもプロレスを通して力を分けたい、力づけたい』って。そういうことをいつも言っていたので、ぜひそんな日になったらいいなと思います」

 会見では、開催のアナウンスとともに第1弾の参戦選手が発表された。この時点ですでに16人。追加選手とともに、対戦カードもこれから徐々に明らかになっていくと思われる。花が幼少の頃、母について会場に出入りしていた時代から顔見知りのレスラー、デビューしてから実際に対戦や組んだりしてきたレスラーなど、過去の大会すべてにおいて花とゆかりあるレスラーが多数参加してきたとあって、今年も豪華な顔ぶれが集うことが予想される。

「現時点ではノープランなんですけど(苦笑)、花を思ってくれる人たちが集まる。それは選手もファンもです。それが私にとって一番大切なことなので、すてきなカードはあとから付いてくると思います」

 現時点では、会見に出席したツトム・オースギがランブル戦、DASH・チサコがハードコアマッチを希望。具体的なカードこそ未定ながら、オースギが「一番手」を主張するランブル戦と、チサコの男女問わないハードコア戦はマッチメークされる見込みである。

「花を思ってくれる人がひとつの場に集まることが大事」という響子。開催日時も命日にあたる5月23日にこだわってきた。もちろん今年も、5・23後楽園だ。

「その日というのにすごく大きな意味があって、このメモリアルマッチがなかったら、私、どう過ごしていいかわからないんですよ。ファンの人とか、仲良くしてもらっていた人たちにも、私と同じような気持ちの人がたくさんいるんじゃないかなと思って。そういった人たちみんなで一緒に過ごすことによって、ネガティブな意味じゃなく、みんなで悲しみも分け合うというか、寂しさも分け合えれば。私はこの日の開催に、そういうイメージを持っています」

 5月23日にこだわって開催し、こんどが4回目。では、その年の興行が終了するたびに、翌年の開催を計画しているのだろうか。そのあたりを聞いてみると……。

「今回も、しばらくたってからやろうと決めましたね(苦笑)。興行を行うのはホントに大変で、レフェリーの吉野(恵悟)さんをはじめ、いろんな人に助けてもらって、いろいろ右往左往してみなさんに迷惑をおかけしながら、てんてこ舞いでやってきました。なので、終わったあとは何も考えられないんです。でも、来ていただいた方とか参戦していただいた選手とかからすごくあったかいメッセージをあとからもいただいて、それでやっと今年も頑張れるかなという感じなんですよね」

 そういえば、昨年の大会直後、来年も開催するのか聞いてみたところ、疲労困憊(こんぱい)の表情とともに「未定」との返答が返ってきた。どちらかというと消極的なものだったが、時間の経過とともにファンや選手からの思いをひしひしと実感する。そしてまた、今年も腰を上げることとなった。花が存命ならば、いまごろきっと女子プロレス界のトップを走っていたに違いない。無念は消えることはない。が、だからこそ花への思いを届け、花からの思いを大勢で感じ取りたい。一年に一度、花との思い出をリングで共有できる場所、それが5・23後楽園ホールなのだ。(文中敬称略)

木村花メモリアルマッチ「テレマカシー▽(※▽=ハートマーク)」
5月23日(木)東京・後楽園ホール(6時30分開始)
出場決定選手…宮本裕向、ラム会長、ツトム・オースギ、バナナ千賀、阿部史典、DASH・チサコ、橋本千紘、岩田美香、中森華子、桃野美桜、VENY、スペル・デルフィン、めんそ~れ親父、Sareee、米山香織、水波綾、高瀬みゆき(発表順)

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