【相棒22】シリアス演技のモト冬樹を視聴者称賛「なかなかの狂いっぷり」「味のある芝居」

俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒 SEASON22』の第13話が、24日に放送された。今回はゲスト登場したミュージシャンで俳優のモト冬樹の演技が話題になっている。

水谷豊【写真:ENCOUNT編集部】
水谷豊【写真:ENCOUNT編集部】

殺害された男性が持っていた美和子への手紙

 俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒 SEASON22』の第13話が、24日に放送された。今回はゲスト登場したミュージシャンで俳優のモト冬樹の演技が話題になっている。

 同作は、2000年に誕生した刑事ドラマシリーズ。警視庁で“人材の墓場”と呼ばれる『特命係』に配属された警部・杉下右京とその相棒たちが、数々の犯罪事件を解決していく。もともとキャリアとして警察庁に入庁した右京は、“切れモノ”過ぎるが故に上層部からにらまれ閑職に追いやられたが、卓越した洞察力と名推理で事件の謎を解き明かしていく。

 寺脇演じる特命係巡査部長の亀山薫は、SEASON1からの“初代相棒”。約14年ぶりに“五代目相棒”として右京とのコンビが復活し、今作で再会2年目となる。

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 薫の妻でフリージャーナリストの亀山美和子(鈴木砂羽)のもとに、匿名で5通のラブレターが届いた。美和子は色めき立って右京に差出人の割り出しを依頼する。浮足立つ美和子の姿に薫は不機嫌モード。そんな中、薫は飲み屋街の路地裏で、喉を切られて死んでいる男性を発見する。男性は“亀山美和子様”と書かれた封筒を握りしめていた。

 男性の名は佐藤晴樹(松澤和輝)といい、美和子が原稿を書く際に利用するカフェの店員だった。佐藤は、画家・戸倉充(モト冬樹)の絵画展のチラシを持っていた。戸倉は、12年前に妻の戸倉祥子(岡内美喜子)が失踪したことで話題になった売れない画家。自身が描いた祥子の絵を家に飾り、今も毎日、地元警察署の前で祥子の捜査を呼びかける段ボールを掲げて座っている。

 しかし刑事によると、祥子は充の画廊のオーナーでパトロンだった清水久志にしつこく絡まれており、清水に殺害されたのではないかとうわさされていた。その清水も暴力団の抗争に巻き込まれて亡くなっており、真相は謎のままだった。佐藤は未だに祥子を探し続ける充の協力者で、失踪について広く呼び掛けられるよう絵画展を開催していたのだった。

 捜査を続けるうち、祥子が家計を支えるために家事代行や居酒屋で働き通しだったことがわかる。さらに佐藤は、祥子が家事代行で派遣された先の裕福な家庭の子どもで、親から虐待されていたところを祥子に助けられていた。当時、幼いながら祥子に感謝していた佐藤は、お礼を伝えに向かった先で、祥子の浮気現場を目撃する。その浮気相手はパトロンの清水だった。

 大人になり、祥子を探し続けている充に出会い協力した佐藤は、祥子の絵をかたくなに絵画展に出品しない充を怪しむ。祥子の絵には、「間違った道だとしても 私の気持ちは変わりません どうかお元気で」という祥子からのメッセージが書かれていた。佐藤は、祥子の浮気を知った充が祥子を殺害したと思い、未解決事件の記事を書く美和子に情報提供しようと手紙を書いていたのだった。佐藤は、秘密を知られたくない充によって殺害されていた。

充と妻のそれぞれの思い「誰も幸せにならない救いのない回」

 しかし充は祥子を殺してはいなかった。祥子の腕には何度も自死を試みた“ためらい傷”があり、「もう終わりにしたい」と自ら裏山に向かい、消息を絶っていたのだ。

 充は、右京も薫も佐藤も「一番大事なことがわかっていません」と言う。「私はただこのまま、『彼女が生きているかもしれない』という望みを持ったまま、人生を終えたかった。探し続けることが生きがいなんだ。遺体が出ない内は、『もしかして』という希望にすがっていられる。見つけてしまったら終わってしまうじゃないか」と、今も妻を探し続ける理由を語る。「愛する妻が他に男を作り、その男を思って命を絶った。そんなことを認めたら人生空っぽになってしまう」と嘆いた。

 しかし右京は、「あなたこそ、大事なことが分かっていませんよ」と諭す。右京は、浮気相手の清水が暴力団とつながりがあり、充への支援を脅しに使って無理やり祥子に関係を迫ったと説明する。祥子は夫が画家を続けられるよう、愛人関係を続けていたのだった。「これは、『命は絶ってしまったけれども、あなたへの愛は変わらない』とつづった、祥子さんからあなたへの最期のラブレターだったのではないでしょうか」と右京が伝えると、妻の真意を知った充は泣き崩れた。

 悲しい結末にSNS上では、「切ない話だったな」「誰も幸せにならない救いのない回 いや、モト冬樹の旦那の気持ちも、奥さんの気持ちもよく分かるし、分かる故のすれ違いが生んだ悲しい結末ではあるんだけど…」と複雑な気持ちになる視聴者も。また「モト冬樹劇場だった。すげぇ味のある芝居、いいものを見た」「モト冬樹さん演じる老画家がなかなかの狂いっぷりで良かったなぁ」「モト冬樹があんなシリアスな演技が出来る人だったとは」と、モト冬樹の演技に称賛が集まっている。

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