【RIZIN】朝倉海が悲願の王座返り咲き 計量オーバーで試合消滅危機もアーチュレッタに感謝

第16試合では第3代RIZINバンタム級王者の朝倉海(トライフォース赤坂)が前王者フアン・アーチュレッタ(米国)に2R・3分20秒でKO勝利。RIZINバンタム級王座に返り咲いた。

1R、朝倉海(右)がフアン・アーチュレッタに膝を見舞う様子【写真:山口比佐夫】
1R、朝倉海(右)がフアン・アーチュレッタに膝を見舞う様子【写真:山口比佐夫】

第16試合、消滅しかけたアーチュレッタ戦

 格闘技イベント「にゃんこ大戦争 presents RIZIN.45」(2023年12月31日、さいたまスーパーアリーナ、ABEMA PPVで全試合を完全生中継)第16試合、RIZINバンタム級タイトルマッチ(61キロ、5分×3R)

 第16試合では第3代RIZINバンタム級王者の朝倉海(トライフォース赤坂)が前王者フアン・アーチュレッタ(米国)に2R・3分20秒でKO勝利。RIZINバンタム級王座に返り咲いた。

 一度は消滅しかけた対戦だった。アーチュレッタは前日計量でバンタム級のリミット(61キロ)を2.8キロも超える、63.8キロで計量をクリアできず、王座をはく奪されていた。

 試合実施の可否は試合当日まで発表されなかったが、この日の第1試合前に榊原信行CEOが条件付きでの開催を発表。海が勝った場合のみ王座獲得。アーチュレッタが勝利した場合はノーコンテストに。また試合の1時間前に計量を行い、68キロまでのリカバリーはOKというルールに決定。榊原信行CEOは「OKしてくれた海に感謝です」と“男気”に感謝していた。

 アーチュレッタは試合1時間前の計量をクリアし、試合が正式に実現した。

 両者は今年7月に行われる予定であったバンタム級(61キロ)の同王座決定戦で対戦予定だったが、試合直前に海が膝を負傷し欠場。アーチュレッタは代役出場の扇久保博正と対戦し勝利を収め、ベルトを手にしていた。

 見合う展開になって1分。アーチュレッタがいきなり距離を詰め、スクランブルのなかで右フックを当てる。そのままギロチンチョークで引き込んだ。1Rのゴングが鳴ってからもアーチュレッタは海にパンチを当てる。観客からはブーイングの声も上がっていた。

 フットワークを使い、距離をはずす海。それでも変則的な詰め方をするアーチュレッタのパンチを被弾してしまう。

 勝負は一瞬だった。相手が急に詰めてきたところに膝蹴りを一発たたき込む。アーチュレッタは立ち上がらない。海がそのままパウンドをたたき込んだところでレフェリーが試合を止めた。

 勝利後、海は「皆さんやっと勝てました。僕の人生うまくいかないことが多いんですけど、仲間やたくさんの方に応援してもらえて、これからも挑戦する姿を見せて、勇気を届けたい。僕ら兄弟は世界のトップをとれると思っています。兄貴も来年チャンピオンベルトをとってほしいです。皆さんこれからも朝倉兄弟についてきてください」とマイクした。

 一方のアーチュレッタは「みなさまにありがとうと言いたい。今週早めの時点で体調に異変がありましたが、皆様の前で戦わないという選択肢はありませんでした。あなたたちは私のキャリアを再出発させるきっかけをくれ、世界チャンピオンになるというモチベーションを与えてくれました。高いお金を払ってくれたファンのみなさまのために、戦わない選択肢はなかった。私も戦士として正々堂々と戦いました。結果として私には(勝利は)向きませんでした。鈴木選手とやらせてくれると榊原社長が行っているので、いつか鈴木千裕選手やりましょう」とまさかのマイクアピールをした。

 これを聞いていた海は「(体重超過を)言っていいのは僕だけ。アーチュレッタに何か言うのをやめてください」とミスをした対戦相手を気遣っていた。

次のページへ (2/2) 【動画】対戦相手の行動に海が怒る瞬間
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