増田有華「元AKB48は誇り」 トゲトゲしていたアイドル時代「最近は表情も柔らかくなった」

映画『Love song』(10月20日より東京・池袋シネマ・ロサで公開、監督・児玉宜久)に主演した元AKB48の女優・増田有華(32)。本作はトラブルに巻き込まれたシンガーが逃亡を繰り広げる犯罪アクション。撮影期間は驚くほどの短期間だったが、乗り越えられたのはAKB48での経験が役に立ったと話す。

AKB48の2期生としてデビューし、2012年に卒業した増田有華【写真:舛元清香】
AKB48の2期生としてデビューし、2012年に卒業した増田有華【写真:舛元清香】

映画『Love song』で主演

 映画『Love song』(10月20日より東京・池袋シネマ・ロサで公開、監督・児玉宜久)に主演した元AKB48の女優・増田有華(32)。本作はトラブルに巻き込まれたシンガーが逃亡を繰り広げる犯罪アクション。撮影期間は驚くほどの短期間だったが、乗り越えられたのはAKB48での経験が役に立ったと話す。(取材・文=平辻哲也)

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 2006年にAKB48の2期生としてデビュー、12年には卒業。宮本亜門演出ミュージカル『ウィズ~オズの魔法使い~』主演ドロシー役で一躍注目を集め、舞台、映画、ドラマで活躍してきた増田。AKB48時代があって、今の自分があるという。特に、本作は通常の映画製作では考えられないようなタイムスケジュールで撮影されている。

「AKB48時代の忙しさは本当にヤバかったですね。1日で数十媒体の取材を受けた後にPV撮影、さらには朝、車で移動して、『ウルトラマン』の映画撮影といったハードスケジュールがありました。移動が睡眠時間という感じだったので、今回の撮影ではまだ寝ている方だなと思ってしまいました」

 時には、自分はアンドロイドだと思い込み、乗り越えたことも。

「感情を抑えるようにしていました。感情が高ぶると、仕事に追いつかなくなってしまうので、切り替えて集中するようにしていました。ただ、ひたすら仕事をこなす。ある意味、アスリートのトレーニングみたいな感じで取り組んでいたかもしれません」

 映画の主演は『ひとりかくれんぼ 劇場版』(2010年)、『劇場版 呪報2405 ワタシが死ぬ理由』(2013年)、『マイナビpresents TOKYO CITY GIRL -2016-「ひらり、いま」』(16年)、『瞬間の流レ星』(18年)に続き、5作目。

「主演となるとプレッシャーはありますが、最近はあまり気負わなくなってきました。どの現場でも、自分自身を出して表現することに集中しています」

 幼なじみ役の木口健太とのベッドシーンもあったが、「恥ずかしさは全く感じていません。そのままの状態でお手洗いにも行ってしまうほどなので、よく怒られてしまうんです。スタッフさんが気配りしていただくので、自分としても、しっかりと配慮しなければと思いました」

 Netflix作品『全裸監督2』(21年)では人気AV女優・江戸川ローマ役を演じて大きな反響があったが、「この経験は大きかったです。無駄なものを全部脱ぎ捨てて、ありのままでいられた。自分自身の殻を破ることができたと感じています」と話す。

「嘘が一番この世で嫌い」と語った増田有華【写真:舛元清香】
「嘘が一番この世で嫌い」と語った増田有華【写真:舛元清香】

 AKB48を卒業してからはすでに10年以上。

「AKB48で過ごした6年半は非常に大きかったです。今でも『元AKBのゆかちゃん』と言われることが多く、感謝しています。元AKBであることは誇り。今後はその経歴をうまく生かしながら、たまにアイドルらしさも出しながら活動していきたいと思っています」

 劇中で裸になることもいとわない増田。気持ちの面でも、「ありのままがいい」と話す。

「嘘をつくことが疲れるし、嘘が一番この世で嫌いなんです。30歳を過ぎた今、隠し始めるべきかとも考えますが、変えられない自分がいます。AKB48の時は大所帯だったので、自分を守るためにトゲトゲしていました。その頃はひとり『バイオハザード』なんて、言われてきましたね(笑)。しかし、最近は大人になってきて、表情も柔らかくなってきました。この役を演じる際には、17、18歳の頃の自分が非常に似ていたので、役作りというよりは、昔の自分を思い返すことが多かったです」

 本作では、芝居の面白さを改めて感じたそうで、今後もさまざまな芝居に挑戦していきたいと意気込む。「ファンの方々からは歌を歌ってほしいとよく言われるので、その期待に応えていきたいと思っています」。AKB48時代は「歌唱力ナンバーワン」とも言われた実力派。本作では、その片鱗も見せているが、別の機会でも歌手の顔も見せてくれそうだ。

□増田有華(ますだ・ゆか)1991 年生まれ、大阪府出身。2006 年 AKB48 の 2 期生としてデビュー、2012 年卒業。宮本亜門演出ミュージカル『ウィズ~オズの魔法使い~』主演ドロシー役で 一躍注目を集め、TV ドラマ『リミット』(TX)『野田ともうします』(NHK E) 朗読劇『私の頭の中の消しゴム7th/10th』舞台『タンブリング FINAL』ミュージカル『ファウスト~最後の聖戦~』映画『呪報 2405 ~私が死ぬ理由~』オフブロードウェイミューシカル『bare』アイウィ役 ミュージカル『EDGES』など、多方面で活躍中。2021年の Netflix 作品『全裸監督2』では江戸川ローマ役を演じて注目を集めた。

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