安村に続け! 吉本が世界目指して国内で外国人向けステージ開始 担当者「英語力は中学レベルで十分」

吉本興業が2日、東京・渋谷の常設劇場ヨシモト∞ドームで、世界に向けて日本のお笑いを発信するステージ『Yoshimoto Comedy Night「OWARAI」』をスタートした。海外からの観光客、在日外国人に「日本のお笑いを体験してもらう」をテーマにしており、多くの外国人が来場。芸人たちは、英語を交えたトーク、アクション、芸で観客を楽しませた。同社が世界進出を視野に入れた取り組み。その現場を取材した。

『Yoshimoto Comedy Night「OWARAI」』が開催【写真:ENCOUNT編集部】
『Yoshimoto Comedy Night「OWARAI」』が開催【写真:ENCOUNT編集部】

東京・渋谷の常設劇場ヨシモト∞ドームで今月30日まで

 吉本興業が2日、東京・渋谷の常設劇場ヨシモト∞ドームで、世界に向けて日本のお笑いを発信するステージ『Yoshimoto Comedy Night「OWARAI」』をスタートした。海外からの観光客、在日外国人に「日本のお笑いを体験してもらう」をテーマにしており、多くの外国人が来場。芸人たちは、英語を交えたトーク、アクション、芸で観客を楽しませた。同社が世界進出を視野に入れた取り組み。その現場を取材した。(取材・文=柳田通斉)

 日本語は使わず、形態模写、声まね、コーラ一気飲み、裸芸、大道芸……。言葉の壁を越えた芸に外国人が手をたたき、腹を抱えた。キテレツな動きがツボに入った5歳の女の子は笑いが止まらなくなり、「ヒヒヒヒヒ」と声を上げ続けた。

 今年4月、吉本興業に所属するとにかく明るい安村が英国の人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で爆笑をかっさらった。安村いわく、「中学で止まっている英語力」ながら、持ち前の裸芸が海外でも通用することを実感。今では他国からも出演オファーが絶えない状況だ。安村はオーディション参加の理由を「事務所に言われるがままにでした」と公言しているが、この日も「外国人ウケ」に前向きなお笑いタレントたちが集結。チャンス大城、ハイキングウォーキング(松田洋昌、鈴木Q太郎)、いぬ(有馬徹、太田隆司)、5GAP(クボケン、トモ)、ウエスP、ミュージシャンの山田元気、MCとしてチャド・マレーン、MC兼パフォーマーとして、RIKIが登壇した。

 ハイキングウォーキングは松田の大道芸、Q太郎のコーラ芸を披露し、観客と一緒に「スーパーイリュージョン」のポーズを決めて大盛り上がり。「笑ってくれてうれしかったです。『SDGs』って言葉が非常にウケるんだなと思いました」と実感を込めた。

 いぬは、声を発さない“ノンバーバルコント”を披露した。頭に親指のかぶりもの、体に手を模した衣装を着用し、指相撲を行うネタだ。白熱する試合に会場は爆笑に包まれ、2人は「意外と伝わりました。言葉を使わないコントがいっぱいあるので、他のネタもやりたくなりました」と声を弾ませた。英語の泥棒コントで最も子どもたちにウケていた5GAPは、「外国の方の前でコントは初めてでしたが、出オチ(出た瞬間に)で笑ってくれて安心しました」と手応えを口にした。

 布切れ1枚の「クロス引き裸芸」が持ち味のウエスPは、既に世界各国の「ゴット・タレント」に出演。この日もさまざまなパターンのクロス引きを披露し、「このメンバーで世界へ行きたいと思います」と出演者たちの背中を押した。

『OWARAI』は今月30日まで同劇場で上演。外国人観光客向けに、旅行会社でもチケット販売を行い、観光案内所、ホテルなどでも情報発信をしている。日本人の来場も可能で、吉本興業の担当者は「安村、ゆりやん、ウエスPに限らず、世界のステージに立つ所属の芸人は増えていますし、この企画も今後、長期的に行っていきます。英語力は中学レベルで十分で逆に親しまれると思っています」と話している。国内外で外国人にお笑いを届ける取り組み。111年前の1912年に大阪で創業した吉本興業が、本気で世界進出を目指している。

次のページへ (2/2) 【写真】声を発さず、全身で指相撲芸を披露したいぬ
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