【医療の現場から】開業医にコロナの疑問を直撃!(中編) 後遺症はあるのか?

後遺症はあるの? 濃厚接触とは?

Q5:新型コロナウイルス感染症には後遺症はありますか? 胸の痛みが残っている人がいると聞きます。

A5:体外式膜型人工肺・ECMO(エクモ)や人工呼吸器をつけるほどの重い症状に陥らないかぎり、後遺症はないか、ほとんどありません。入院や治療が長引きますと体力・筋力が落ちるので、回復するのに時間がかかる方はいるでしょう。また、胸膜(両肺の表面を覆う薄い膜)に炎症を起こすと胸膜炎となり刺すような痛みが残る可能性がありますが、それも時間の経過とともに徐々に消失するでしょう。

Q6:全盲です。熱が出てコロナかも知れないと思った時、どうすればよいですか。病院へ行って手を引いてもらうと濃厚接触者を生んでしまいます。もし入院した場合、院内の移動などどうなるのか見当がつきません。

A6:濃厚接触とは必要な感染予防策をとらずに手で触れること、または対面で1メートル程度の距離で15分以上接触があった場合などをいいます。病院職員はマスクをして手指を消毒して必要な感染予防策をとっていますので、手を引いてもらっても濃厚接触にはあたりません。病院はバリアフリーですし、必要な感染予防策をとっていますので、安心して来院いただきたいと思います。

□谷田貝茂雄(やたがい・しげお)1957年12月24日、東京都生まれ。祖父の代からの“町医者”で医師を目指し獨協医科大学へ。1984年卒。1993年、獨協医科大学大学院修了(内科学)。医学博士。獨協医科大学病院麻酔科(現・救急医学科)、同心臓血管内科、国立栃木医療センター内科医長、日本医科大学第一外科を経て2000年、東京・東日暮里に「やたがいクリニック」開業。“生涯を市井の医師でありたい”と地域医療に心血を注ぐ。過去に「恐怖の食卓~あなたの健康は食生活で決まる~」(フジテレビ)などメディア出演・著書多数。学生時代からラグビーに打ち込み、現在も医師・歯科医師のラグビー部「東京ドクターズ」メンバーとしてグランドに立つ。

【医療の現場から】開業医にコロナの疑問を直撃!(前編) 長期微熱が続き不安だが…?
https://encount.press/archives/50250/

【医療の現場から】開業医にコロナの疑問を直撃!(後編) 愛犬・愛猫から感染は?
https://encount.press/archives/50286/

◆私たちENCOUNT編集部では、新型コロナウイルスについて取材してほしいことを募集しております。info@encount.pressまでお寄せください。

この記事に戻るトップページに戻る

1 2
あなたの“気になる”を教えてください