【アフター・コロナ】ギフト店経営は業績アップ ソーシャルディスタンスで気付いた人との絆

狭い会社に所狭し、と並ぶ母の日の「フルーツ&カーネーション」発送用の花
狭い会社に所狭し、と並ぶ母の日の「フルーツ&カーネーション」発送用の花

業績好調で新しい人間関係が生まれた

 カーネーションの仕入れをするバイヤーから「たくさん発注したので花業者が喜んでいたよ。今年は花を贈るイベントの自粛のために、売り上げが10分の1くらいに落ちたのでうちも助かった」と喜ばれました。“売り上げが10分の1”という数字は花き業界の厳しさを物語っていて衝撃的でしたが、イベントはなくなっても花を求める心、花を贈って喜ばれたいと思う心は消えてなくなりはしなかったのです。通常とは違うときだからこそ、人が人を想う気持ちの強さを感じました。人は物理的に距離をとっても、心は寄り添おうとするのですね。

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 こんなこともありました。母の日のギフトに限らず今年は注文数が大幅に増えたので、私のショップでは人手が足りなくなり、新たにアルバイトを採用しました。採用した大学生の1人は「コロナでアルバイトができなくなったので、働き口があってよかった。学費が払える」と喜んでくれました。

 ショップを手伝ってくれた私もありがたかったし、その大学生も喜んでくれたわけです。コロナで私たちはこれまでと同じことは続けられなかったけれども、気持ちを切り替え新しいことに踏み出したことで良い循環が生まれ、新しい絆が生まれたのです。いろんな人の、いろんなコロナの影響を感じています。

ソーシャルディスタンスをとっても人の心は離れない

 今、緊急事態宣言がじょじょに解除されてきて、また人と人とが直接深く繋がれるようになってきました。会いたかった友人や恋人、遠くにいる家族に会えるようになっていくでしょう。でも、会えないときに互いを思いやって過ごしたことで、絆はかえって深まったかもしれません。新しい絆も生まれ、より多彩で深い関係も生まれているでしょう。新型コロナウイルスがいくら感染力の高いウイルスであっても、人の心まではソーシャルディスタンスさせることはできなかったのだと思います。

 新型コロナウイルスの危機が過ぎ去る日は必ず来ると思います。感染症の歴史を紐解けば、人類は感染症に敗北したことは一度もなく、今回も最後には勝利するだろうと思っています。その時を心待ちにしつつ、人と人との心をつなげるギフトビジネスでみなさんを幸せにする一助になればと願っています。

【プロフィール】
黒坂岳央(くろさか・たけを)大阪府池田市生まれ。大学在学中、米国留学。大学卒業後就職し、ブルームバーグ、セブン&アイ・ホールディングス、日本コカ・コーラ勤務を経て独立。現在はフルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」を経営するほか、独学の“英語多読”で英語を身に着けたノウハウを伝授するオンラインスクール運営や、ビジネス雑誌やネットメディアでビジネスジャーナリストとしても活躍。著書に「1年でTOEIC985点&英検1級! 中学レベルの僕が「読むだけ勉強法」で英語をペラペラ話せるようになった!」「年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド”で人生は劇的に変わる!」(大和出版)。

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