NEWS加藤シゲアキ、最新小説が10月に発売 原稿用紙740枚超のミステリー大作「問題作でもある」
アイドルグループ・NEWSのメンバーで作家の加藤シゲアキの最新長編小説が、10月25日に発売されることが16日、発行元の講談社から発表された。タイトルは『なれのはて』。1万字のプロットから始まり、構成をじっくり練り上げ、原稿に向きあった期間は約3年。原稿用紙740枚超の大作となった。
舞台は自身のルーツである秋田など3都市
アイドルグループ・NEWSのメンバーで作家の加藤シゲアキの最新長編小説が、10月25日に発売されることが16日、発行元の講談社から発表された。タイトルは『なれのはて』。1万字のプロットから始まり、構成をじっくり練り上げ、原稿に向きあった期間は約3年。原稿用紙740枚超の大作となった。
同作の舞台は東京、秋田、新潟。時代は令和、戦前戦後の昭和、大正までを描く。物語のきっかけになるのは、終戦前夜に起きた秋田・土崎空襲。「日本最後の空襲」とされており、秋田にルーツのある加藤が温め続けてきたテーマだ。いつの時代も悲劇と後悔は背中合わせ、やるせない人間の業と向きあいつつ、一方で力強く生き抜こうとする人びとの姿。それらを1枚の不思議な絵の謎を追いながら描いている。
今回の情報解禁では、新作に合わせた加藤のビジュアルを公開。さらに作品世界を表現したポスタービジュアル5種類も発表された。さらに刊行を記念し、9月22日発売の『小説現代』10月号では、『加藤シゲアキの現在地(仮)』を特集。書籍発売より一足先に『なれのはて』が読める全文公開や本人のロングインタビュー、舞台の地・秋田でのグラビアなど、最新刊をより楽しめる特集を予定している。また、発表に合わせ、加藤個人のインスタグラムアカウントを開設。書籍発売までの足跡も発信していくという。
加藤は2012年1月、『ピンクとグレー』で作家デビュー。その後もアイドルと作家活動を両立させ、21年に『オルタネート』で吉川英治文学新人賞、高校生直木賞を受賞。同作は直木賞候補にもなり、話題となった。他の小説作品には、『閃光スクランブル』『Burn.―バーン―』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってる AGE22・AGE32』、エッセイ集は『できることならスティードで』を執筆。今回の大作については、「全身全霊で書き上げることができました」などと語っている。
以下、加藤のコメント全文。
「前作『オルタネート』の執筆時から考えていた本作が、構想からおよそ3年の歳月を経てついに完成しました。『なれのはて』は自著のなかで最も壮大なテーマに挑んだエンタメ作品であり、また問題作でもあると考えています。三十代半ばとなる(なった)私が何を書くべきか、問い続けた結果がこの作品です。舞台を2019年の東京と、私の母の地元である秋田にしたのは、私自身がこの物語に深く没入するためでしたが、その過程で日本最後の空襲のひとつといわれる土崎空襲を知り、自分がこの小説を書く宿命を感じました。この小説を書いたのは本当に自分なのか、それとも何か見えざるものによって書かされたのか。今はそういった不思議な気分です。作家活動が十年を超えた今だからこそ、全身全霊で書き上げることができました。一枚の絵の謎から広がる世界を、どうぞご堪能いただけると幸いです」