NHK総合のバラエティー『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』でも活躍する俳優・田牧そら（16）がBS松竹東急（BS260ch）のオリジナルドラマ『カメラ、はじめてもいいですか？』（3日スタート、午後10時30分）で主演する。カメラ女子を演じた田牧が、今始めたいことは？（取材・文＝平辻哲也）

『AI崩壊』『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』など映画、ドラマだけでなく、バラエティーでも出演する現役高校2年生の田牧が演じるのは、アパートで1人暮らしをしている内気な女子高校生・池田ミト。隣人のカメラマン・綿矢チサト（手島実優）への憧れをきっかけにカメラの奥深さにハマり、少しずつ周囲と打ち解け、成長をしていく……。

　撮影にあたっては、しろの同名コミックのイメージに合わせて、髪もショートカットにした。

「私にはショートカットのイメージがあるみたいですが、こんなに切ったのは中学1年生のとき以来、3年ぶりくらいです。形から入るタイプなので、髪の毛を切るとか、制服を着たり、カメラを持ったりすると、テンションが上がるんです」と笑顔が弾ける。

　等身大の女子高生役だが、自身との違いもある。田牧は弟、妹もいる5人家族だが、ミトはアパートでひとり暮らし。

「私の家はすごくにぎやかです。母のご飯が大好きなので、1人で冷めているお弁当を食べるのと、あったかいご飯が用意されている家とは全然違うと思いました。ミトちゃんはこの年齢で一人暮らしをするなんて、すごい。撮影期間中では、1人でホテルに泊まったこともあったのですが、実際に自分が感じて役にも反映できたのではないかと思います」

　元々カメラには興味があったが、実際に手にするのは初めて。原作にも登場する「カメラのヤマヤ」にもロケにでかけ、個人的にもフィルムカメラをゲットした。

「本格的にカメラを持つと、撮りたいと思うようになって、面白いなって思いました。いつも首から下げているのですが、最初の方は本当に慣れなくて、肩凝るなと思っていました。カメラマンの方々は大きなカメラを手持ちで撮っていてすごいなと思いました。店員さん、共演者の方からも教えていただいたので、今も頑張って、撮っています」

　ドラマでは、手島と共演した。

「最初は、クールできれいな女性っていうイメージで、どう話しかけていいのかなと思ってしまったのですが、コミュニケーションをはかっていくうちに実際はそんなことなく、お芝居について話し合って作っていけたので、すごくやりやすかったです。主演ということもあって、肩に力が入っていたのですが、周りの皆さんがすてきな方ばかりだったので、自然といいチームになれました」

　田牧は生後半年から赤ちゃんモデルとして活躍し、その後は子役として頭角を現してきた。現在の事務所の先輩、小栗旬とのカメラのCMでは、うそ泣きする姿が大きな話題になったが、転機になったのは、意外にも初の本格バラエティー『カネオくん』（土曜午後8時15分、2018年～）だという。

「バラエティーは、素が見られるじゃないですか。だから、最初は不安な部分もあったのですが、（共演の）有吉（弘行）さんも（千鳥の）ノブさんも優しいので、すごく恵まれているなと思っています。日常のイヤな出来事も、どうでもいいと思えるくらい、本当に笑いが絶えないです。台本がないので、自分で考えたことをその場で言うのは大変ですが、とても楽しみながら収録しています」

　番組では、父親の倹約家ぶりも暴露しているが、「本当にセコいんですよ。日に日にセコくなっている気がします」と笑い。

　個人的に「始めたいこと」を聞くと、「ちょっと前に1人映画館デビューをしました。最近は、1人で立ち食いそばデビュー。これからはどんどん1人デビューをしたいと思っていて、1人旅もしてみたいです。ドラマを観てくださる方も、何かを始めるきっかけになれば、と思っています」。学校生活との両立も楽しいそうで、まさに青春まっしぐらだ。

□田牧そら（たまき・そら）2006年8月2日、東京都出身。幼少期からモデルとして活躍。15年、小栗旬が出演したニコンのデジタル一眼レフカメラのCMでうそ泣き演技が話題に。ドラマ『こころのフフフ』『ネメシス』などに出演。近作は映画『AI崩壊』『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』（20年）など。18年からはNHK総合『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』で日直アシスタントを務める。23年7月クール日テレ系ドラマ『最高の教師』に野辺桐子役で出演する。