「女優・柳英里紗」から「映画監督・柳英里紗」へ…自ら製作費を投じて挑戦した理由
田中絹代、桃井かおり、黒木瞳、杉野希妃…日本では少ない女優出身の映画監督
2作とも若い感性で描かれた作品。シンポジウムではシニア層の多い湯布院の映画ファンからは賛否の批評もあって、最後に「あー、緊張した」と吐き出すように声にした柳監督。映画制作の難しさをこう語った。「それにしても、短編の自主映画は1円にもならないですね。役者をやっている時はお金の動きは知らなかったので、勉強になりました。自分の作品にダメだなと思う気持ちもありますけども、観てもらいたい気持ちはすごく強い。映画は自分が描いた子供たちですから。いろんなところで見てもらえるよう、もうちょっと奮起したいという気持ちが芽生えました。もし、死ぬ前に商業映画を撮れるチャンスもあったら撮ってみたい」
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日本では女優出身の映画監督は数少ない。古くは「流転の王妃」(1960)などの田中絹代、今は「火 Hee」(2016)の桃井かおり、「嫌な女」(2016)の黒木瞳、「雪女」(2017)の杉野希妃といった感じだろうか。「VERY FANCY」には、柳監督のユニークな個性と才能を感じた。ここはもう1本、もう少し長い作品を観てみたい。