「恋愛がメーンでない」女性たちの生き方描く新舞台 柚希礼音、ソニンの挑戦

女性の活躍をテーマの一つに掲げる新作ロックミュージカルが注目を集めている。今月25日にTBS赤坂ACTシアターで初日を迎える「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」だ。元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音を主演に迎え、共演には舞台での活躍が目覚ましい女優のソニンら個性豊かな女性キャストが集結。自由を求めて闘った女性たちの物語を通して、自主性を大事に作り上げる舞台は新機軸を打ち出すことになりそうだ。

「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」 主演の柚希礼音(中央)とソニン(右)
「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」 主演の柚希礼音(中央)とソニン(右)

新作ミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」 個性豊かな女性キャストが集結

 女性の活躍をテーマの一つに掲げる新作ロックミュージカルが注目を集めている。今月25日にTBS赤坂ACTシアターで初日を迎える「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」だ。元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音を主演に迎え、共演には舞台での活躍が目覚ましい女優のソニンら個性豊かな女性キャストが集結。自由を求めて闘った女性たちの物語を通して、自主性を大事に作り上げる舞台は新機軸を打ち出すことになりそうだ。

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「20年間ミュージカルをやっているが、取材でこれだけ女性が並ぶことはめったにない。宝塚以外は。とても画期的。恋愛がメーンになっていない話で、共感してもらえることが多い作品だと思う」

 8月27日に都内で行われた公開稽古。芸歴20周年を迎えた柚希は、ソニンに加え、元宙組トップ娘役の実咲凛音、女優の清水くるみ、モデルで女優の石田ニコルが並んだ取材の場で、今回のミュージカルにかける思いを口にした。

(左から)日本版脚本・演出の板垣恭一氏、清水くるみ、ソニン、柚希礼音、実咲凛音、石田ニコル
(左から)日本版脚本・演出の板垣恭一氏、清水くるみ、ソニン、柚希礼音、実咲凛音、石田ニコル

 本作は、米ブロードウェイの気鋭の作曲家コンビであるクレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニーを迎え、日本版脚本・演出を板垣恭一氏が務める。産業革命期にあった19世紀半ばの米国が舞台で、女性の権利を求めて労働争議を率いた実在の女性サラ・バグリー役を柚希が演じる。キャストは女性を中心に構成されているのが特徴だ。

 ミュージカルは娯楽にとどまるものではない。本作の意義について板垣氏は「お芝居は、いかなる時代を扱っていても現代劇じゃないと意味がないと思っている。今回は1844年の米国という設定をいただいて、女性たちが安い賃金で工場でこき使われている話だとすると、これはどこかの国の今と似てないかなと思い、つなげていこうと考えた。ひょっとしたら世界中で同じようなことが起きている」と強調する。女性の権利や労働問題といった社会派のテーマを取り上げるが、板垣氏は「ポップで明るく元気なシーンがたくさんある。労働問題を扱うというよりかは、女性たちがいまどうやって生きているのか、という明るい芝居です」と話した。

 リーダーの役割を演じるにあたり、柚希は「今の時代にも通じる女性のテーマ。生きるとは何かを考えさせる話。自分の宝塚のトップ時代にいろいろリーダーとして悩んだことがすごく思い出される」と感慨を語った。

ダイナミックなダンスに注目だ
ダイナミックなダンスに注目だ

 公開稽古で柚希らキャストたちは、凛としたダイナミックな動きでダンスを披露し、力感のある歌声を響かせた。信念を貫いた女性たちの力強さが押し出される作品となりそうだ。稽古場はどんな様子かというと、清水は「男性が出てこないシーンもあるので、いつもの稽古場と違う空気。女子高出身なのですが、女子高という感じ。みなさん役者をやられているから、言いたいことを全部言うみたいな感じです」と明かす。

 一体感がポイントで、柚希は「みんなで作っている感じ。振り付けでも、決める前に、まず自由に輪になって自分たち同士で歌って自由に動いてみて、なんとなく場所を決めるということもやっている。こういうことはあまりない」と自主的な取り組みについて話す。そのうえで、「自分は、役名のない子であっても最強に光り輝いているのが、より最高の舞台だと思ってやってきた。本番ではどの人もキラキラしていてどの人を見たらいいのか分からないぐらいの中で、よりエネルギーを持ってやりたい。すごくいい流れの稽古場です」と話した。

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