『ワイスピ』最新作は原点回帰 壮絶アクションでローマ壊滅、超スピードのストーリー

全世界累計興収9000億円を突破した超人気映画シリーズの最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が19日に公開される。これまで日本は全米公開後に遅れて公開されていたが、今作は全世界で同時公開を予定しており、日本のファンにはたまらない“超スピード公開”となる。『ワイルド・スピード』シリーズ最終章という位置づけで、今作の『ファイヤーブースト』は2部構成の前編を描く。

車が吹っ飛ぶ『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』の迫力シーン【写真:(C)Universal Studios. All Rights Reserved.】
車が吹っ飛ぶ『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』の迫力シーン【写真:(C)Universal Studios. All Rights Reserved.】

ルイ・ルテリエ監督「最終章だからこそ『ワイスピ』の原点に戻る」

 全世界累計興収9000億円を突破した超人気映画シリーズの最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が19日に公開される。これまで日本は全米公開後に遅れて公開されていたが、今作は全世界で同時公開を予定しており、日本のファンにはたまらない“超スピード公開”となる。『ワイルド・スピード』シリーズ最終章という位置づけで、今作の『ファイヤーブースト』は2部構成の前編を描く。

 主人公ドム(ヴィン・ディーゼル)に長年の恨みを持つダンテ(ジェイソン・モモア)の策略によりファミリーはローマに呼び寄せられた。しかし、一枚も二枚も上手のダンテを前にファミリーは後手に回ってしまう。ドムへの復讐のためなら手段を選ばないダンテは、これまでドムに協力してきたすべての人間を毒牙にかける。餌食となったのはリトルノーバディ(スコット・イーストウッド)。バイクを駆るダンテに後ろを取られ、装甲車にマグネット爆弾を張り付けられてしまう。不敵に笑い走り去っていくダンテ。バイクで追うレティ(ミシェル・ロドリゲス)が即座に伝え、九死に一生を得るリトルノーバディ。唖然とするドム。翻弄されるファミリーはダンテの狂気を止めることができるのか……。

 ローマを舞台にした激熱バイクチェイスシーンに驚いたが、ダンテによって仕掛けられた巨大爆弾がローマの街を転がり落ち、歴史的建造物が次々と破壊されていくシーンも目がくらむ迫力。爆弾が炸裂するとローマは壊滅的な打撃を受けてしまう。これにドムはどう立ち向かったのか。すさまじいバイクチェイスとドムが瞬時に繰り出す作戦が重なり合いながら進む超スピードストーリーに息をのむ。

 あまりに危険なカーアクション、絶命寸前のド派手な銃撃戦、さらにはドム最愛のパートナー・レティ(ミシェル・ロドリゲス)とサイファー(シャーリーズ・セロン)の肉弾戦……。こうしたワイルドなシーンが世界各地の有名観光スポットを舞台に次から次へと繰り広げられる。その中には冷たい雪に覆われた南極大陸まで登場するからビックリだ。

 ダンテ役のジェイソン・モモアは『アクアマン』シリーズで知られるが、今回は10年ぶりの悪役。とことん執念深い、それでいて頭脳抜群の悪役をスケール感いっぱいに演じている。これほどの強敵もなかなかいないだろう。だからこそ、ダンテに立ち向かうドムの活躍が際立つ。凶悪なダンテがドムの息子にまで狙いに定めると、ドムの怒りも沸点に達する。親子の愛、ファミリーの絆と友情がストーリーのベースに流れており、観客をぐんぐん引っ張っていく。激しすぎるカーアクションやバイクチェイスは“ワイスピ”のお家芸。ルイ・ルテリエ監督は「最終章だからこそ、『ワイスピ』の原点に戻る」と語っている。

 絶体絶命の場面で前編は終わるが、後編が待ちきれなくなるエンディングが秀逸だ。2時間21分。

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