韓国のダンスボーカルグループ、SUPERNOVA（超新星）のリーダー、ユナクが5月20・21日に東京・有楽町の「I’M A SHOW」で2日間だけの特別公演を行う。ミュージカルスターとしても活躍するユナクは、過去に出演したミュージカルの名曲を歌うほか、ミュージカル『RENT』で共演した歌手のジェニファーをゲストに迎える時間もあるという。ユナクに意気込みを聞いた。（取材・文＝西村綾乃）

『BLUE EARTH MUSIC LIVE』はエンターテインメントを通じてSDGsの実践と啓蒙メッセージを発信することを目的とした東京開催としては初の企画。会場では地球温暖化による米作りの苦労を乗り越えて、こだわりの日本酒を醸造する4つの蔵元や、干ばつやパンデミックの被害の中、サステナブルなワイン作りを実践する米ナパ・ヴァレーのワイナリーをVTRで紹介。希少価値の高い日本酒・ワインの試飲も実施する。

「韓国では数年前から、アーティストがSDGsの大切さについて、声を上げるようになりました。ライブ会場などでは、ごみの分別のほか、リサイクルを呼びかけるなどしています。僕自身もプラスチックごみを出すときは、きれいに洗ってから処分をするようにしたり、ファンの人にも知ってほしいと、ツアーグッズでエコバックを販売したりしています」

　ユナク自身が選んだ楽曲を披露するステージでは、『RENT』や『FLAGLIA THE MUSICAL ～ゆきてかえりし物語～』など、過去に出演したミュージカルの名曲を歌う場面もあるという。

「2011年からミュージカルを始めて、たくさんの作品に出演しました。最初はセリフをかまないこと、無事に公演を終えることが大事で、曲に思いを乗せるということができていなかったと反省しています。だから今回のステージでは、若い自分が表現しきれなかった、悔いが残った曲を『歌ってリベンジしたい』と思っています」

　このほかユナクが出演した韓国ミュージカルから『INTERVIEW～お願い、誰か僕を助けて～』『ON AIR～夜間飛行～』『あなたの初恋探します』などの名曲を披露する。ファンにとっては、さまざまなミュージカルで多彩な役を演じたユナクの姿が思い出され、懐かしく感じられるだろう。

　楽曲のアレンジは音楽グループ、米米CLUBのメンバーでもあるフラッシュ金子が担当。金子は3公演全てにゲスト出演しライブとトークを盛り上げる。来場者には特典としてユナクが考案したイラスト入りのグラス（全3種で、日ごとに絵柄が異なる）をプレゼントする。

「ユナクの『Y』を青色でデザインしたグラスは、僕が大切にしている音楽と自然がモチーフ。よく見るとYのあちこちにひびが入って崩れそうなのは生態系が崩れていることを示しています。また走っている人は今行動を起こすべきであることを語っています。緑色で描いたのは葉っぱ。空気をきれいにしてくれる木々が笑えるようにと音符を付けました。自然と人がいつも幸せに安全に暮らしてほしい、そんな気持ちを込めています。厳しい表情をした鳥をオレンジ色で描いたグラスには、環境の変化から減少傾向にある木を『守って行こう』という思いを込めました。鳥は木に巣を作って卵を産むけれど、木が減ってしまったら生きていくことができませんよね。僕たちは自然からいろいろなものを受け取って、守られて生きているのに、それを忘れて壊してしまった。でもこれから守って行こうという願いを込めています」

　多忙な日々の癒やしは、自然を感じること。日本滞在時には、宿泊している場所の周辺を1時間半ほどかけて散歩をするという。

「歩くことが好きなのですが、今の時期のソウルは黄砂注意報を確認して外出します。僕らが子どもだったときとは、環境が変わってしまった。4月には温暖化による空気の乾燥から、各地で山火事が発生しました。夏にはゲリラ豪雨が起こりますし、おかしくなってしまった天候からもその深刻さを感じています。今回の企画を通じて、僕たちにできることを、ファンのみなさんと一緒に考えていきたいです」