齋藤飛鳥、行きつけは一人ファミレス「意外と楽しい」 “覚悟”を持って挑んだ主演作

俳優の齋藤飛鳥が、テレ東系で10月2日からスタートした連続ドラマ『まめとむぎ』(金曜深夜0時12分)で富田望生とダブル主演を務めている。キャリアも夢も恋も失った元ファッション誌編集者・清水麦(齋藤)が、居酒屋「大豆堂」を営む米田まめ(富田)と出会い、発酵料理や人々との交流を通して、自分らしい生き方を見つけていく物語だ。そんな本作で主演を務めながら、「私は主演には向いていないと思う」と明かす齋藤に、出演を決めた背景と、本作に臨んだ“覚悟”を聞いた。

インタビューに応じた齋藤飛鳥【写真:増田美咲】
インタビューに応じた齋藤飛鳥【写真:増田美咲】

変化を受け入れ続けた柔軟な姿勢「そうすることでうまく生きてきた」

 俳優の齋藤飛鳥が、テレ東系で10月2日からスタートした連続ドラマ『まめとむぎ』(金曜深夜0時12分)で富田望生とダブル主演を務めている。キャリアも夢も恋も失った元ファッション誌編集者・清水麦(齋藤)が、居酒屋「大豆堂」を営む米田まめ(富田)と出会い、発酵料理や人々との交流を通して、自分らしい生き方を見つけていく物語だ。そんな本作で主演を務めながら、「私は主演には向いていないと思う」と明かす齋藤に、出演を決めた背景と、本作に臨んだ“覚悟”を聞いた。(取材・文=堀タツヤ)

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――本作の放送発表時、麦について、「私は、自分の演じた麦という人間がとても好きです」とコメントされていましたが、今回の役柄を聞いた時はどのように感じましたか。

「まずは、『30歳の役が来るようになったか』という、自分自身の成長を感じました(笑)。麦は一見普通の人間に見えるので、どう演じたらいいのかなと考えながら向き合いました」

――そんな麦のどんなところを好きになったのでしょうか。

「不倫をしていたり、仕事を評価されているかと思ったら、実は自分のことしか見えていなかったり。あまり愛されるタイプのキャラクターではないというか、主人公っぽい主人公ではないなと思いました。

 でも麦は、自分がしてしまったことへの後悔や反省をしっかりできる人。何より好きなのが、いろんな人から影響を受けることができるところです。私は、自分の生き方に芯があることも大切だと思いますが、それと同じくらい柔軟性も生きていくうえでは大切だと思っていて。麦は、人から影響を受けられる人間だというところが、すごく魅力的だなと思いました」

――齋藤さん自身も、周囲から影響を受けるタイプですか。

「私はもう、バリバリ影響を受けるタイプです。自分の考えだけで生きてきて、うまくいったことが1度もないので(笑)。人の意見を聞いたり、人がやっていることをまねしたり、そうすることで今までうまく生きてきました。だから、めちゃくちゃ人に影響を受けて変化するタイプだと思います」

――それは乃木坂46で活動していた頃から?

「グループの時からですね。『自分はこうだ』と決め込んでいた時もありましたが、それを抜けてからは柔軟にいた気がします。グループの活動には変化がつきもので、人も入れ替わるし、時代も変わります。『その変化を受け入れてね』と、私がファンの方に言うからには、私も受け入れないといけない。そういう意味で、変化には寛容だったと思います」

富田望生とダブル主演を務める【写真:増田美咲】
富田望生とダブル主演を務める【写真:増田美咲】

プロデューサーに伝えた言葉「本気でこの作品と向き合う覚悟、ありますか?」

――麦とまめが切り盛りする居酒屋「大豆堂」は、「銭湯のようにホッとする、居心地のいいお店」を目指していますが、齋藤さん自身に行きつけのお店はありますか。

「本当は大豆堂のようなアットホームなお店を行きつけにしたい気持ちはありますが、なかなか難しくて。意外とファミレスに一人で行くと楽しいんですよね。家族連れの方や学生たちを見ていると、一人でご飯を食べていても飽きないし、ゆっくり過ごせるので好きです」

――“齋藤飛鳥”がファミレスに一人でいたら、気づかれそうですが……。

「いや、全然。なじんでます(笑)。一度も気づかれたことないですよ」

――プロデューサー・太田勇さんのコメントによると、齋藤さんから「太田さんは本気でこの作品と向き合う覚悟、ありますか?」と問いかけたそうですね。

「恥ずかしい(笑)。本当に言ったかな……?」

――これは、どんな思いから出た言葉だったのでしょうか。

「順を追ってお話しすると、そもそも私はあまり主演という立場が向いていないと思っているので、お話を頂いてもお受けできないことが多くて。そういう意味で、『きっと今回も難しいかな』と思っていたんです。でも、原作や企画書を読んで、作品が伝えたいことや原作の面白さも含めて、すごくいいなと思う部分が多かったんです。だから今回は挑戦してみたいと思いました。

 ただ、いつもの私だったら、たぶんできない。私にとっては大仕事です。だからこそ、この船に乗るには、周りの人も同じ気持ちでいてくれないと怖くて。『私だけ溺れたくない』という気持ちがあって、そういうことを伝えたかったんだと思います」

――なぜ、主演には向いていないと思うのでしょうか。

「シンプルに器がないんです。お芝居でもそうですし、人としても。主演は、皆さんを引っ張ったり、いい作品にするために全体の士気を高めたり。そういうことができる器は持っていないので、自分としては、分をわきまえているという気持ちです」

――そうした思いがありながら主演を引き受けました。覚悟を持って臨んだ結果、いかがでしたか。

「いろんな人がいろんな覚悟を持ってやり切ったという意味では、みんなの覚悟がむだではなかったと思える作品になったと思います。すごくいい現場でしたし、みんながそれぞれ違う頑張り方をして、その努力もしっかり結ばれたと思うので、いい結果になったと言っていいんじゃないかなと思います」

□齋藤飛鳥(さいとう・あすか)1998年8月10日、東京都出身。2011年に乃木坂46の1期生として加入。5作の表題曲センターを務めるなど、中心メンバーとして活躍し、2023年5月東京ドームでのライブをもってグループを卒業。卒業後は、第48回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した映画『【推しの子】 -The Final Act-』、TBS系ドラマ『Tシャツが乾くまで』、NHK総合『テミスの不確かな法廷』に出演するなど、俳優業を中心に活躍している。

ヘアメイク:猪股真衣子(TRON)
スタイリスト:市野沢祐大(TEN10)

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