2020年8月にめでたく還暦を迎えるサンプラザ中野くんのロングインタビューを紹介!　改名後通算3枚目となるミニアルバム「感謝還暦」を4月29日に発売し、爆風スランプの名曲「無理だ!」やスマッシュヒット「涙2」、タイトルチューンの「感謝還暦」などフルアルバム並みの聞き応え抜群な全7曲を収録。今作は紐解いていくと過去と現在、そして未来につながる重要作!　懐かしい話もたくさん飛び出した。念願だった名前の由来となった「中野サンプラザ」での還暦ライブは、しばらくお預けだが、盟友パッパラ―河合と初の配信ライブ「インターネット唄会」を10日(“胸が踊る”日曜日)に実施する。これは「えらいこっちゃ」。

――ミニアルバム「感謝還暦」はその名もズバリの重要作ですね。今回も新旧織り交ぜながら、リアルタイム世代にはグッとくるような、新しいファンにはクスッとしてしまうような、そんなどれも元気が出るナンバーばかりです。

「今回は一生に一度の還暦なのでとにかく還暦を意識してしまいました。特に『45歳の地図(還暦 Ver.)』を書くことが出来たのが、ただただ嬉しいです。オリジナルの『45歳の地図』は面白く楽しい作品に見えているかも知れませんが、実は結構ネガティブな内容でした。そこがずっと気になっていました。なので今回その辺りを払拭できて、とても前向きな歌詞を書くことが出来た自分を、褒めてあげたいです」

――(笑)。そのなかで還暦の記念すべき年に爆風スランプの名曲「無理だ!」の新録が聞けたのは当時を知るファンにとっても嬉しくて笑ってしまう出来事でした。

「『無理だ!決定盤』は爆風スランプの名前を全国区にしてくれた最初のスマッシュヒットです。当時バンド内で知恵を出し合って歌詞を作りました。『21世記バージョンを出したら良いんじゃないか』と2000年ごろに言われましたが、面白いネタを、否、オリジナルを超える面白い歌詞を考える自信がなく見送ってきました。しかし『歌詞を公募してしまおう』というアイデアに今回は乗りました。令和という新しい時代にもなったところでしたので。結果的にとても面白くて令和時代にふさわしいネタを、否、歌詞を手に入れることが出来ました。応募してくださった方々、そして著名人の方々にも本当に感謝しています」

――「無理だ!」は1984年8月25日発売の爆風スランプのデビューアルバム「よい」収録曲ですよね。とても斬新な曲でユニークな歌詞とゴリっとしたファンクサウンドの融合が、リアルタイム世代には、衝撃(笑撃)そのものでした。

「『無理だワニの腕立て伏せ』と『無理だ亀の腹筋』という歌詞は、私が大好きだった某深夜放送の投稿者のペンネームだったのです。デビュー前のバンドミーティングで『こんなの面白いよね』と話したところ、ベーシストのほーじんが『ちょっとさっきのネタを歌にしてみたけどどうかな?』と披露したのが『無理だ!』でした。面白かったので、みんなでふくらまして行きました」

――ベーシストの江川ほーじんさんは、爆風スランプの長い歴史の中で在籍期間はわずかでしたが、初期からバンドを知るファンにとっては、とても印象的な方でした。現在は事故で闘病中とお聞きしております。

「とてもエネルギッシュな男です。小さいカラダですが火の玉ボーイといった感じ。ほーじんにはなんとか復活して欲しいです。一緒に歌いたいです」

――新録「無理だ!」の歌詞は、三宅裕司さんや小倉久寛さん、岸谷五朗さん、寺脇康文さん、また前回に続いて野性爆弾のくっきー!さんなど、縁のある方々やファンの皆さんに作って頂いたとお聞きしました。歌詞を選ぶ作業はとっても大変だったのでしょうね?

「とてもありがたいことに著名人の方からのものも含めて1000以上集まりました。それらをただただ並べた歌詞の一覧がマネージャーから送られてきました。誰の作品かは一切分からないまま、私がチョイスしました。
　とにかく数が多いのと、面白い物が多かったので、第三章まで膨らんでいきました。これは125章くらいまで今後も増やして行きたいと思います。これからさき公募することがあったらば気をつけていただきたいのは一つ『ネガティブな歌詞にはしない』ですね」