“場内アナウンス”に“上映ブザー”…自宅で「仮設の映画館」を体感してみた

新型コロナウイルス感染防止による緊急事態宣言下、映画館存続のための試みが続いている。政府への要望を求めるネットの署名活動「SAVE THE CINEMA」は8万人、クラウドファンディングによる「ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金」は2億円を突破した(5月2日現在)。さらには、新作映画をオンライン上で公開し、本来の上映予定だった映画館と収益を分ける「仮設の映画館」が4月25日にオープンし、ドキュメンタリー作家、想田和弘監督の最新作「精神0」が5月2日に初日を迎えた。そんな「仮設の映画館」に行ってみた。

「シネマ尾道」の「仮設の映画館」
「シネマ尾道」の「仮設の映画館」

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 新型コロナウイルス感染防止による緊急事態宣言下、映画館存続のための試みが続いている。政府への要望を求めるネットの署名活動「SAVE THE CINEMA」は8万人、クラウドファンディングによる「ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金」は2億円を突破した(5月2日現在)。さらには、新作映画をオンライン上で公開し、本来の上映予定だった映画館と収益を分ける「仮設の映画館」が4月25日にオープンし、ドキュメンタリー作家、想田和弘監督の最新作「精神0」が5月2日に初日を迎えた。そんな「仮設の映画館」に行ってみた。

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「仮設の映画館」は、想田監督とその配給会社「東風」が相談して生まれたもの。公式ホームページによれば、「『映画の経済』を回復させるための試みの一つ」としている。配給会社が配信権を持っていれば、本来、収益は配給会社の総取りとなるはずだが、これを全国の映画館で上映したと仮定して、プラットフォームの使用料などを引いた後に残る収益を、劇場と配給とで5:5で分配。実際の映画興行と同じ仕組みを採用しているのだ。

 鑑賞料金は一律1800円。通常の映画館での一般料金と同じ。まずは上映劇場を選択することから始める。北は北海道のシアターキノ、南は沖縄の桜坂劇場まで35館。各劇場の外観、ロビー、ロゴなど写真が並べられていて、そこを見るだけでも楽しい。普段から通い慣れている映画館や行ったことがない遠い劇場……。ちょっと頭の中で想像を膨らませてみるのもいいだろう。筆者は、亡き大林宣彦監督の故郷である広島・尾道にあるミニシアター「シネマ尾道」に出かけることにした。

 画像をクリックすると、シネマ尾道の説明もある。

「尾道市で唯一の映画館。2001年『映画の街・尾道』から映画館が姿を消し、2008年に市民募金2700万円を集め旧尾道松竹の建物を改装しオープン。尾道が舞台の世界の名作小津安二郎監督『東京物語』恒例上映、こどもたちに向けた映画ワークショップなどを積極的に行い、第2の大林宣彦監督を育てるべく次世代に向けた映画の情操教育や人材育成に取り組んでいる」(仮設の映画館HPより)

 上映作品の予告編をチェックしたら、「¥1,800でレンタル」をクリック。支払いにはクレジットカードか、PayPalが利用できる。配信に使われているのは映像配信サービス「vimeo」。TV、PC、モバイル端末、タブレットに対応しているので、ほとんどの人は観ることができるはずだ。映画の迫力には遠く及ばないが、「少しでも大きな画面で」と思い、TV出力をして観ることにした。どうせなら、少し部屋を暗くして、ドリンクやポップコーンを用意しておくと、気分が出るかもしれない。用意ができたら、再生開始だ。

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