村上春樹氏の新作 著者メッセージ公表 コロナ禍で執筆、3年近くかけて完成

作家・村上春樹氏の6年ぶりとなる新作長編小説『街とその不確かな壁』(新潮社刊、4月13日発売)で、著者メッセージが公開となった。

村上春樹氏【写真:Getty Images】
村上春樹氏【写真:Getty Images】

原稿用紙1200枚の長編小説『街とその不確かな壁』 4月13日発売

 作家・村上春樹氏の6年ぶりとなる新作長編小説『街とその不確かな壁』(新潮社刊、4月13日発売)で、著者メッセージが公開となった。

 世界的に注目される村上氏の新作長編。四百字詰原稿用紙1200枚の長編小説だ。

 本作は、「その街に行かなくてはならない。なにがあろうと―― <古い夢>が奥まった書庫でひもとかれ、呼び覚まされるように、封印された“物語”が深く静かに動き出す。魂を揺さぶる純度100パーセントの村上文学」と紹介されている。

 今回公表された村上氏のメッセージは以下の通り。

「コロナ・ウィルスが日本で猛威を振るい始めた二〇二〇年の三月初めに、この作品を書き始め、三年近くかけて完成させた。

 その間ほとんど外出することもなく、

 長期旅行をすることもなく、

 そのかなり異様な、緊張を強いられる環境下で、

 日々この小説をこつこつと書き続けていた。

 まるで<夢読み>が

 図書館で<古い夢>を読むみたいに。

 そのような状況は何かを意味するかもしれないし、何も意味しないかもしれない。

 しかしたぶん何かは意味しているはずだ。

 そのことを肌身で実感している。

 村上春樹」

 また、本作は村上氏の長編小説としては初めて、刊行と同日に電子書籍を配信する。

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