フェラーリを8人で共同所有 最年少27歳オーナー「342万円以上の価値」はプライスレス

数千万円の超高級車を共同所有する――。歴史的価値のあるクラシックカーや希少性の高いスーパーカーを指す「コレクタブルカー」を共同所有できる新たなサービスが話題を集めている。世界的ブランド・フェラーリのオーナー権利を8人で分け合い、メンテンナンスや車の保管等の手間はかからず、年間12日間自由に乗れて、売却時にはその金額も分配される。「いつかは」と思ってはいたが踏み出せずにいた憧れのカーライフを実現するサービスだ。スタートアップ企業「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」が手がけ、栄えある最初の納車1号となったのが、フェラーリの中でも名車と称されるテスタロッサ。今回の“フェラーリ8分の1オーナー”で27歳の最年少、会社員のSou(@hakumai_carlife)さんに、クルマへの情熱と驚きの愛車遍歴を聞いた。

“フェラーリ8分の1オーナー”で27歳の最年少・Souさんに熱い思いを聞いた【写真:RENDEZ-VOUS(ランデヴー)提供】
“フェラーリ8分の1オーナー”で27歳の最年少・Souさんに熱い思いを聞いた【写真:RENDEZ-VOUS(ランデヴー)提供】

ポルシェ、ジャガー、BMW、アウディの数々の愛車…さらなる夢は「フェラーリ・F12ベルリネッタ」

 数千万円の超高級車を共同所有する――。歴史的価値のあるクラシックカーや希少性の高いスーパーカーを指す「コレクタブルカー」を共同所有できる新たなサービスが話題を集めている。世界的ブランド・フェラーリのオーナー権利を8人で分け合い、メンテンナンスや車の保管等の手間はかからず、年間12日間自由に乗れて、売却時にはその金額も分配される。「いつかは」と思ってはいたが踏み出せずにいた憧れのカーライフを実現するサービスだ。スタートアップ企業「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」が手がけ、栄えある最初の納車1号となったのが、フェラーリの中でも名車と称されるテスタロッサ。今回の“フェラーリ8分の1オーナー”で27歳の最年少、会社員のSou(@hakumai_carlife)さんに、クルマへの情熱と驚きの愛車遍歴を聞いた。(取材・文=吉原知也)

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「フェラーリは小学生のときからの憧れで、『30歳までにフェラーリを』と思っていました。その夢が1つかないました」

 Souさんは喜びと充実の思いをこう話す。

 実は、これで“4台持ち”。そもそものこれまでの愛車は仰天だ。

 幼稚園の頃からゲーム『グランツーリスモ』で遊んでいた。大学1年のときに免許を取得。マイカーデビューは25歳。買ったのはポルシェ981 ボクスターだった。「実はポルシェも憧れでして(笑)。911に乗りたかったのですが、オープンカーへの憧れと予算の兼ね合いでボクスターを買いました」。さらに、アウディS4を入手した。

 現在は愛車を一新。2年前の冬にポルシェ911、昨夏にジャガーXタイプエステート、そして、昨年12月にクーペ型のBMW M2を友人との共同購入でゲット。「実は、M2の決済前に、今回のテスタロッサを決済していました(笑)」。中古で手に入れた5台の総額は約2300万円になるという。

 30歳までにフェラーリという大きな夢があった中で、今回、1989年式のテスタロッサとはどのような出会いだったのか。

「フェラーリの中でも、強いて言えば、F12ベルリネッタを所有することが1つの目標でした。とはいえ、F12ベルリネッタ以外にも乗りたい車が多くある私にとって、全車を1人で所有するのは現実的ではなく、今回のような共同所有のサービスを創れたら、とかねがね思っていました」。

 そんな矢先、もともと知人だった同社の山田健CSO(最高販売責任者)から、8分の1オーナーの新サービスについて聞いた。1台の車を最大8人で共同所有することが可能で、購入資金だけでなく、同社が維持管理を受け持つことで金銭面のハードルを下げられる。また、車両は一定期間で売却され、オーナー側には権利分の売却額が分配される。“価格高騰の続くコレクタブルカーをより多くの愛好家が楽しめるように”という理念だ。

 テスタロッサの実物は昨冬、東京・代官山の蔦屋書店に展示されていた。「最初は買うつもりはなかった」。だが、そこには極上のテスタロッサが。

 ひと目見て、「テスタロッサの迫力が半端なく、その存在によって蔦屋書店が普段と異なるように感じました。触るのも恐れ多かったのですが、特別に座らせていただき、皮の香り、車内の雰囲気を感じたときに欲しいと思わずにいられなかったです。その上で、今回の共同所有の仕組みや実現したいことを山田さんと浅岡(亮太CEO=最高経営責任者)さんから直接伺い、納得、共感したので、その場で申し込みしました」。まさに、直感、即決だった。「山田さんからは『本当に!?』と心配いただいたのを今でも覚えています(笑)」

 8分の1オーナー権利で、車両購入・維持管理の総額は「342万5000円」。そこそこの国産新車、外国車も中古で買える値段で、簡単に手が出せる金額ではない。それでも、一歩踏み込んだ理由とは?

 テスタロッサの売却時期は来年2024年1月を予定。売却後の分配を見越している部分もあるといい、「確かに342万円は安くないです。ただ、あくまで個人の主観ですが、テスタロッサの中古相場とこの車両状態、1年後に売却することを考慮すると、最終的に50万円程度の支出になると予想しています。それで『年12回テスタロッサに乗れる』と考えたらめちゃくちゃ安いなと思いました。ランデヴーさんはこういった趣味性の高いクルマを、身近な存在に引き寄せてくれる画期的なサービスだと考えています」。

 さらに、「すてきなサービスのファーストプロダクトに関われること、『共感した他オーナー様とつながれる』ことを考えたら、私にとってこのオーナー権は『342万円』以上の価値があると考えています」。プライスレスの魅力を感じたという。

 若くして4台のオーナー。「一部車両はローンが残っていますが、気合で何とかします(笑)」と、より仕事に邁進(まいしん)する覚悟だ。

代官山の蔦屋書店に展示されていたテスタロッサに“一目ぼれ”だった【写真:RENDEZ-VOUS(ランデヴー)提供】
代官山の蔦屋書店に展示されていたテスタロッサに“一目ぼれ”だった【写真:RENDEZ-VOUS(ランデヴー)提供】

車とは「人生を広げてくれるもの」、自動車文化は「残り続ける」

 テスタロッサの12日間でやりたいことに、夢が膨らむ。「軽井沢や箱根、日光などへ小旅行に行ったり、車仲間とのツーリングに乗ってみたり、ぜいたくに1日中眺めながらぼーっとしてみたいです。車の撮影も趣味なので、京都や岐阜、石川などの歴史地区に行って写真を撮りたいです」

 Souさんは、HOC(平成オーナーズクラブ)に所属しており、ツイッターを通して知り合った車仲間もたくさんいる。早くも“熱烈オファー”が届いており、「みんなには『よくいったね』『やばいね』と驚きの言葉をかけてもらいました。『乗れるようになったら、乗って来てよ』と言われてるので、ぜひ仲間に見せたいです」と声を弾ませる。

 一方で、近年は“若者の車離れ”や自動車文化の危機が叫ばれている。

 Souさんは現状を冷静に分析し、決してピンチではなく、前向きな未来を見通している。

「確かに数十年前と比べると、趣味・価値観の多様化や経済的な観点から、生活における車は『必需品から嗜好(しこう)品・道具としての二極化』が進んでいるように考えます。実際、ステータスとしての車という考え方は薄れ、移動手段としてカーシェアが広く普及しています。一方で、SNSでは『車趣味』をキーワードに世代や地域を超えて車好きが交流していて、現代においても趣味としての自動車文化は、確かに存在していると感じます。まさに趣味性の高い車をリーズナブルに共同所有できるだけでなく、オーナーをリアルでつなぐランデヴーは現代に適していると思います。従来の所有形態に加えて、このようなサービスを経ながら自動車文化は残り続けると思います」

 今回の共同所有で「30歳までにフェラーリを所有する」という目標は達成できた。それと同時に、また新たな目標が見えてきた。それは、世界最高級と評されるスポーツカーに乗ることだ。「今後はF12ベルリネッタを所有することを次の目標に頑張ります」と話している。

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