「教材として配布しては」 大型トラック“内輪差”映像、公開の物流大手「我々もなるほどと」

大型トラックが交差点を左折する様子をドローン撮影した映像が、注目を集めている。前輪と後輪の軌道が異なることで生じる「内輪差」がくっきり。商業物流サービス大手「西濃運輸株式会社」の公式ツイッターが発信し、「わかりやすい」と反響を呼んでいるのだ。そもそもこの動画は、初任運転者教育に活用しているという。同社の担当者に、投稿の狙いを聞いた。

大型トラックの内輪差をドローン撮影した動画が話題だ【写真:西濃運輸株式会社(@seinocorporatio)から】
大型トラックの内輪差をドローン撮影した動画が話題だ【写真:西濃運輸株式会社(@seinocorporatio)から】

「西濃運輸株式会社」が初任運転者教育に活用、事故防止ポイントをたっぷりレクチャー

 大型トラックが交差点を左折する様子をドローン撮影した映像が、注目を集めている。前輪と後輪の軌道が異なることで生じる「内輪差」がくっきり。商業物流サービス大手「西濃運輸株式会社」の公式ツイッターが発信し、「わかりやすい」と反響を呼んでいるのだ。そもそもこの動画は、初任運転者教育に活用しているという。同社の担当者に、投稿の狙いを聞いた。

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 大型トラックが、十字路交差点を左に回る。大きな車体がゆっくり曲がっていく。空中から俯瞰で捉えている。ドローンを用いて、教習所で特別に撮影した映像だ。

「大型トラックの『内輪差』を、ドローンで撮影した動画です。前輪と後輪の軌道の違いがはっきりして、トラックの特性を俯瞰的に見ることができるため、初任運転者教育に活用しています。なかなかこの角度から見ることはないと思うので、貴重です」と紹介している。

 空中ドローン映像の発信の意図とは。担当者は「当社の強みは『トラックによる全国輸送ネットワークとドライバー』です。普段見ることができない角度からの動画で発信することで、トラックの特性やドライバーの運転技術を知っていただきたいと思っております」との回答を寄せた。

 約1万6000件のいいね、「閲覧数」では400万件を超えている。参考になる内容だけに、ネット上では、「内輪差がどれほどなのか理解する事が出来ました。ドライバーさんも歩行者も内輪差を意識する事で、不幸な事故が減らせるなと思いました」「自転車の巻き込み事故防止にもいい教材かと」「わかりやすい映像」「学校・警察などに交通安全教材として配布しては」「プロならでは、ですね その華麗な技術を何度も見てしまいます」などの声が寄せられている。

 こうした反響について、「大変ありがたいと思っております。むしろ我々もなるほどと、『気付き』を与えていただきました。交通安全への意識付けのお役に立つことができたと感じています」と受け止めているという。

 ここで、大型トラックやトレーラーなど、大型車運転で、右左折時の内輪差で気を付けるところ、事故防止のポイント、初任運転者教育で伝えていることについて聞いてみた。同社は詳細に教えてくれた。

 まず、右折時は「(1)交差点の中心マークの内側を徐行 (2)交差点の中心で停車した場合、タイヤは真っすぐにすること(後突された場合、対向車線に車両が出ないようにするため) (3)対向車両にブレーキを踏ませるタイミングで右折を開始しないこと」。次に、左折時は「(1)道路の左端に寄せる前に、人・自転車等の交通参加者を把握しておくこと (2)交差点進入前にミラー越しではなく、目視による安全確認をすること (3)車の全長が長く、ハンドルをしばらく真っすぐにして進入するため、ハンドルを切るのが遅くなります。必ずハンドルを切る前に、巻き込みとオーバーハング(最後輪の中心点から外側にはみ出した部分)の振りで接触をしないよう安全確認すること」を挙げた。

 安全運転のための注意点はもっとあるといい、右左折時の合図については「車体が真っすぐに戻るまで点滅させること(ハンドルが自然に戻る際、方向指示器が切れるので再点灯)」と注意喚起。「ピラー(運転席の屋根を支えている柱)による死角に注意すること。特に左折時は、左折行動を行うまでに減速を完了させることが大事で、ブレーキを踏みながら左折しないこと(左折中にギアチェンジ等する場合は、ハンドルを動かさないこと)、2つの動作を同時に行わないこと」と付け加えた。

 同社の公式アカウントでは日頃から、大型車にまつわる動画を積極発信。トラック運転席からの道路の見え方やトレーラー後退・Uターンの動き、プロの運転技術を伝えている。

 同社は「今回の反響を見て、SNSの拡散力の強さを改めて実感しました。引き続き、交通安全への思いや願いをより多くの方にお届けしたいと思っております。また、ツイッターは当社や物流業界との接点だと考えています。皆様にご注目いただき、興味、関心につながるコンテンツを配信することで、業界全体の活性化に貢献していきたいと思います」とコメントしている。

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