闘病中のMr.プロレス天龍源一郎に日本中からエール 佐賀・神埼のBURSTからも熱い想いが届く

闘病中の天龍源一郎氏にたくさんのエールが送られている。藤波辰爾、蝶野正洋、小橋建太氏、佐々木健介&北斗晶夫妻ら多くのレスラーからコスチューム、ガウン、Tシャツ、愛用品などに直筆サインを入れたアイテムが出品され、チャリティーオークションも行われた。

天龍源一郎氏にエールを送る岩崎永遠【写真:柴田惣一】
天龍源一郎氏にエールを送る岩崎永遠【写真:柴田惣一】

柴田惣一のプロレスワンダーランド 毎週金曜日午後8時更新【連載vol.135】

 闘病中の天龍源一郎氏にたくさんのエールが送られている。藤波辰爾、蝶野正洋、小橋建太氏、佐々木健介&北斗晶夫妻ら多くのレスラーからコスチューム、ガウン、Tシャツ、愛用品などに直筆サインを入れたアイテムが出品され、チャリティーオークションも行われた。

 天龍氏は大相撲から1976年に全日本プロレス入り。SWS、WAR、新日本プロレス、ノアなど多くの団体で大活躍したレジェンド。ジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さんのBIからフォールを奪った文字通りの「ミスタープロレス」で、日本プロレス史を代表する一人である。

 2015年に引退後は、小脳梗塞、うっ血性心不全、環軸椎亜脱臼に伴う脊髄症・脊髄管狭窄症、敗血症性ショック……「痛みの伝わるプロレス」を全身全霊をかけて実践してきた代償と闘い続けている。

 豪快なファイトに加え、男気にあふれ面倒見の良い天龍氏を慕うファン、レスラー、関係者が回復を願っているが、佐賀県・神埼市からも「お元気になってほしい」と願う声が届いた。

 Professional Wrestling BURSTの代表・岩崎永遠が「天龍さんにもう一度、僕のファイトを見てほしい」と訴える。

 24歳の岩崎は天龍プロジェクトの大会(2021年9・29東京・新木場大会)に出場し、メインイベントで、佐藤耕平、橋本和樹と組み、河野真幸、TORU、拳剛組と対戦。TORUの垂直落下式ブレーンバスターで敗れている。

 この時、「天龍プロジェクト初参戦。オレの心は折れてないぞ。どんだけ潰されても、折れなかった。まだまだやってやるよ。何回でも佐賀から東京まで、天龍プロジェクトのために来てやるよ」とコメントを残した。

 天龍氏は「初参戦の岩崎永遠選手は意外とね、見た目よりも大きく見えた」とコメント。天プロへの継続参戦が期待されたが、その後は実現していない。

「天龍さんの目にどう映ったのか。あの時から1年半、レスラーとしても人間としてもいろいろな経験を積んだ僕の今をみてほしい」と力を込める岩崎は、17年にZERO1でデビュー。体格の良さと逸材ぶりを発揮し、19年にはNWA・UNヘビー級王座を奪取したが、20年暮れにZERO1を退団している。

 その後、BURSTの拠点・佐賀県神埼市に移住し、代表に就任した。リングを常設したKANZAKI BASEで定期戦を開催。2・19「FIRST STAR vol.8」大会ではDDT・ガンバレ☆プロレスのスピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王者・渡瀬瑞基に挑戦。「トワ、トワ」とちびっ子ファンの声援を受け、場外戦で圧倒。ポスト最上段での攻防を制し、雪崩式ブレーンバスターで叩きつけたが、あと一歩及ばず、王者渾身のバックドロップに20分20秒、無念の敗退となった。

 健闘をたたえ合った2人は「もう一度」とがっちり握手。プロデューサーを務める佐藤耕平も「今後はシングルだけでなく、タッグのタイトル戦も実現させたい」と、BURSTマットのさらなる充実を予告した。

 岩崎は「今日は結果を出せなかったが、もう一度、天龍さんに今の僕を見てほしい。その時は、佐賀から飛んで行きます。お元気になられる日を待っています」と繰り返す。

 岩崎を始め、プロレスラー、関係者、そしてファン。日本国内のみならず、海外からも、みんなが天龍氏の復活を待っている。

 冬来たりなば 春遠からじ。

 一日も早い回復を願っています。

次のページへ (2/2) 【写真】渡瀬瑞基のバックドロップが岩崎永遠に決まった
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