韓国の7人組グループ・BTSのメンバー、J-HOPE（ジェイホープ、本名チョン・ホソク）が所属事務所・BIGHIT MUSICを通して入隊手続きに入ったことを発表した。J-HOPEはファンコミュニティープラットフォーム「Weverse」で「昨年から考え続けていました。（最年長の）ジンが昨年12月に入隊してからいつ頃にすべきかと考え、早く行ってきてより良い姿を（ファンに）お見せすることが正しいと考えました」と打ち明けた。

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　この時期の発表について現地メディアは、J-HOPEが2月18日に29歳の誕生日を迎えたことや、メンバーの中で最初にソロデビューを実現させ、その活動が落ち着いてきたことなどを理由に挙げている。J-HOPEは22年7月15日に初のソロアルバム『Jack In The Box』を発売。同月末には米・シカゴのグラント・パークで開催された30年の歴史を持つ音楽フェスティバル「Lollapalooza」（ロラパルーザ）に韓国人アーティスト初となるメインステージのヘッドライナー（主役）として登場し約1時間のステージを披露した。それらソロデビューとソロコンサートの模様を記録した音楽ドキュメンタリー番組『j-hope IN THE BOX』（1時間25分）がDisney+で17日に配信が開始されており、創作活動の不安や苦悩を赤裸々に語っているJ-HOPEの姿がファンの間で話題となっている。

　同番組はJ-HOPEのデビューアルバム制作から完成までの道のりに約200日間密着しており、「ロラパルーザ」出演直後の22年8月2日の映像から始まっている。J-HOPEは『Jack In The Box』について「このアルバムは絶対出すべきだと思う。次のステップに行くための重要な橋のようなアルバムだ」と語っているが、その前には「BTSは知っているけどJ-HOPEがどうやって曲を作るのか…無謀だったかな」「今回作った曲は録音したものを毎日1回は聴きますが、心に来ない。イマイチってことです。マジでやばい。どうしよう」と生みの苦しみを告白している。さらには「最初の歌詞が書けない。メンタル崩壊です」「スランプかも。作る理由も分からないし。別にこれほど自分を追い込まなくても暮らしていけます。でも性格上、それができない」と自分をさらけ出している。

　なぜそれほど苦しみながらもソロ作品に挑むのか。J-HOPEは「『Jack In The Box』というアルバムは“びっくり箱”。今までのJ-HOPEは箱の中で自分のできる歌とメッセージを作って来ました。それが今回は箱の外に出てより広い世界に向かい自分が感じて語ることのできることを伝えるつもりです。音楽的にもより成熟し世界に出てぶつかりながら感じ経験して得たそんな音楽を見せたい」と創作の意義を強調している。ちなみにJ-HOPEという名前は、名字の頭文字「J」と希望を意味する英語「HOPE」を合わせて作った。「パンドラの箱を開けると邪悪なものが飛び出し底には『希望』だけが残った」というギリシャ神話を意識しており、それが今回のソロアルバム名のコンセプトにもつながった。

　J-HOPEはさらにBTSの活動休止についても言及。「しばらくBTSの活動を休み、個人でやってみて別に変わったとは思いません。活動の場が違うだけだからそれほどの差を感じないし今でもチームの一員です」と大きな変化はないとしながらも、「メンバーそれぞれがどう生きていくのか。ぼくの20代はBTSに専念してきました。でも永遠に続くものではないので何か新しいことを会得しないとその大切さに気付かないと思います」と新境地の開拓に至った理由を語っている。

　ドキュメンタリー番組内ではJ-HOPEの実家や庭の様子、父親のコレクション、愛犬のほか、ロラパルーザに応援に訪れたメンバーのジミンの姿など興味深い映像がたくさん盛り込まれている。特に実家で久々に母親が作った朝ごはんを食べるJ-HOPEの姿は人気絶頂のアーティストとは思えない素朴な雰囲気を漂わせている。

　3月3日にはソロシングル『on the street』を発売することも発表。自ら作詞作曲に参加しており、出会いや夢などが繰り広げられる「街の上」と、世界中のファンと一緒に「歩む道」という両方の意味をタイトルに込めている。昨年12月に陸軍入りし、3か月目を迎えたメンバーのジンは新兵教育隊助教として軍生活を送っている。ジンに続いて入隊を表明したJ-HOPE。この表明に合わせたかのようなドキュメンタリー番組の配信とソロシングルの発売は、今後のJ-HOPEが進む“道”をファンに示しているようだ。