フジテレビ系アニメ番組『サザエさん　ひなまつり1時間スペシャル』が、26日午後6時から放送され、今月5日に死去したフグ田タラオ役の声優、貴家堂子（さすが・たかこ、本名・堀内堂子＝ほりうち・たかこ）さんが「最後の出演」を終えた。

　特番のこの日は、「大好き、ひな祭り」、「カツオ銀幕デビュー」、「風雅なご趣味」、「わが子と遊べば」の4話構成。「大好き、ひな祭り」では、ワカメが「ひな祭りなのに男の子ばっかり」と言うと、「ばっかりで～す」と相づちを打った。

　そして、最後のセリフは第4話「わが子と遊べば」の食卓シーンで「パパはいつも遊んでくれるですよ」だった。直後からネット上では、「タラちゃん、お疲れさまでした」「寂しい」「ゆっくりお休みください」「無事見届けました」の声が相次いだ。

　貴家さんは、1969年10月に同番組の放送が始まってからタラちゃん役を務め、2019年には「最も長くテレビアニメシリーズにおいて同じ役を演じ続ける声優」で、フグ田サザエ役の加藤みどりとともにギネス世界記録に認定された。今月2日の収録も参加し、この日放送の第1話「大好き、ひな祭り」では、ワカメが「ひな祭りなのに男の子ばっかり」と言うと、「ばっかりで～す」と相づちを打っていた。

　貴家さんが亡くなってから最初の放送となった今月12日の「ノリスケ住宅事情」の冒頭では、テロップが流されて番組が「1969年の放送開始から50年以上にわたり、フグ田タラオ役の声優を務めていただいた、貴家堂子さんが逝去されました」と報告。「いつも明るくてみんなに愛されるタラちゃんを演じ続けてくださった、貴家堂子さんのご冥福を心からお祈りいたします」と伝えた。

　後任のタラちゃん役ついては、既に同局が「声優の愛河里花子さんに決まった」と発表している。3月5日放送回からの登場で。愛河さんは「貴家堂子さんの育まれた、健やかで、朗らかなタラちゃんを大切に、歩んでいきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」とコメントしている。