草彅剛インタビュー第2弾「『台風家族』では、きっと恥ずかしい自分が出ている」

「台風家族」(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ/PG-12
「台風家族」(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ/PG-12

――監督が、草彅さんに期待したいことは?

市井監督「草彅さんもおっしゃっていたように、本当に草彅さんの小鉄が見たいと思っています。それには草彅さんの心が動いて、ちゃんと存在していてほしい、ということです。それから、新しい草彅さんを見たい。この映画は、ものすごい欲のぶつかり合いだと思うので、その強欲がむき出しに見えたら面白いなと思っていますし、その部分をしっかり捉えたいと思います」

――きょうだい役の方について、一言お願いします。

草彅「真千子ちゃんとは『クソ野郎と美しい世界』でチーム感ができていて、MEGUMIちゃんとも昔、共演したことがあります。だから、やりにくいところは一つもなかったです。みんながそれぞれの今の自分を出している必死さが伝わってくるので、緊張してきちゃったりする(笑)。それが愛おしい。こんな僕も、すごく緊張するんです。ちょっとしたカットでも『何、緊張しているの?』みたいなことが多い。きっと、監督が追い込んだせいかもしれないね(笑)」

市井監督「確かに、張り詰めたシーンは多いですね」

草彅「それがよいので、そういう瞬間を大事にしたい。もちろん演技ではあるんだけど、それぞれ素のみんなが出ているんじゃないかな。そういった面でも知らない自分を監督が引き出してくれてるんじゃないかなって思っています」

「台風家族」(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ/PG-12
「台風家族」(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ/PG-12

市川監督 構想12年「猛暑の中、ポスティングの仕事をしながら夜はシナリオを書いていた」

――最後に構想12年の映画に込めた思いをお聞かせください。

市井監督「元は、12年前、『ぴあフィルムフェスティバル』のスカラーシップに落ちたシナリオですが、いろいろと変化し、現在のシナリオになりました。ここ2年ぐらいはずっとオリジナルを撮りたいと思っていて、ようやく『台風家族』に本気で向き合おうと思いました。原作ものの話はありがたいことに何度かあったのですが、来ても断っていました。17年は収入がなかったので、猛暑の最中、ポスティングの仕事をしながら、夜はシナリオを書いていたんです。それが今、一年経って映画の現場にいられることが幸せです。でも、それに満足せず、最後まで駆け抜けたい。『台風家族』っていうタイトルなだけに本当の台風のように、いろんな観客も巻き込むような映画にしたいなと思っています」

□草彅剛(くさなぎ・つよし)1974年7月9日、愛媛県生まれ。45歳。1988年、SMAPとしてデビュー。これまで、ドラマ「いいひと。」「僕と彼女と彼女の生きる道」、舞台「蒲田行進曲」、映画「黄泉がえり」など数多くの作品に出演。俳優としてだけではなく、「『ぷっ』すま」などのバラエティーでも活躍。2005年の橋田寿賀子賞を受賞。2017年に「新しい地図」を結成し活動している。

□市井昌秀(いちい・まさひで)1976年4月1日、富山県生まれ。43歳。漫才グループ「髭男爵」元メンバー。初長編作品となる自主映画「隼」(2004)が第28回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリと技術賞受賞。長編2作目「無防備」が第30回同映画祭でグランプリ、技術賞、Gyao賞、第13回釜山国際映画祭コンペティション部門ではグランプリ受賞。商業映画第1作目「箱入り息子の恋」(2013)は単館公開ながら興収1億円を超えるスマッシュヒットとなり、第54回日本映画監督協会新人賞を受賞した。

(おわり)

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(平辻哲也 / Tetsuya Hiratsuji)

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