草彅剛インタビュー第2弾「『台風家族』では、きっと恥ずかしい自分が出ている」

上映延期から一転、急きょ、9月6日から3週間限定の公開が決まった草彅剛(45)主演の「台風家族」。長らく封印していた撮影時のインタビューの第2弾。親の遺産に執着を見せる長男役という新境地に挑む草彅、構想12年間の映画を手掛ける市井昌秀監督(43)の思いとは何か? 1年前の市井監督は意外な職業に就いて、この映画の脚本執筆に没頭していたと語る。

「台風家族」の出演者と市井昌秀監督(左)
「台風家族」の出演者と市井昌秀監督(左)

映画「台風家族」草彅剛&市井昌秀監督インタビュー(下)

 上映延期から一転、急きょ、9月6日から3週間限定の公開が決まった草彅剛(45)主演の「台風家族」。長らく封印していた撮影時のインタビューの第2弾。親の遺産に執着を見せる長男役という新境地に挑む草彅、構想12年間の映画を手掛ける市井昌秀監督(43)の思いとは何か? 1年前の市井監督は意外な職業に就いて、この映画の脚本執筆に没頭していたと語る。

――草彅さんは自分の役をどう展開していこうと考えていますか。

草彅「これも本当に面白くてね。僕はどんなふうに撮影に入っていこうかと思っていたんですが、監督は『草彅君の小鉄が見たい』というわけです。小鉄に近寄るんじゃなくてね。だから、変に演技しないで、そこに居るんです。でも、それって、すごく難しいことなんです。演技というのは、ここはちょっと怒って言ってみようとか、ここは悲しい感じで言ってみようと作っていくもの。だけど、監督はそういうのを嫌うんです。自然でいるというのは案外難しくて、僕自身にとっても、次のテーマかなと思っています。だから、たまたまなんだけど、いいタイミングで出会えたという気がしていますね」

「台風家族」(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ/PG-12
「台風家族」(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ/PG-12

――自然でいることは逆に難しいですよね。

草彅「そうなんです。考えないで、どう怒ったり、どう笑ったりできるか。そうすると、自分でしかないんです。お芝居って何周も回って、結局同じところに辿り着くみたいな感じがありますね。だから、『台風家族』では、より自分が出ているんじゃないかな。そうじゃないと、つまんないでしょ。今の観客は目が肥えていますしね。きっと恥ずかしい自分が出ているんじゃないかなと思っています」

――今日のシーンは居間で家族が顔を揃えるシーンでした。いかがでしたか。

草彅「結構長いし、逃げ場がない(笑)。(撮影中は)音の問題で、クーラーをかけたりできないので、もう蒸し風呂状態だったけど、汗もリアルにかいているので、みんな、それぞれ自分が出ていた。それが面白くなっていたら、と思いますね。これも、全部、監督がそういうふうに言っていたんですけど(笑)」

市井監督「ちゃんと(草彅に)具体的に伝わっていてよかった……(笑)」

草彅「僕は怠け者なので(笑)、早く帰りたいんで、人の話はよく聞いているんですよ。話を聞いてなかったら、時間がどんどん経って帰るのが遅くなるじゃないですか。だから素直に聞いて、早く帰って、犬のクルミちゃんに会いたいなって思って(笑)」

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