小出恵介、ホームレス寸前の主人公役で映画に本格復帰「ここから第2章が始まる」

映画『銀平町シネマブルース』(2月10日公開、城定秀夫監督)で本格的な主演復帰を果たした俳優の小出恵介(38)。本作はかつて青春時代を過ごした銀平町に帰ってきた一文無しのの青年・近藤が、小さな映画館に集まる個性豊かな人々との出会いを通じて、人生と向き合っていくストーリー。自身の私生活も重なる物語に、どう向き合ったのか。

映画への本格復帰を果たした小出恵介【写真:ENCOUNT編集部】
映画への本格復帰を果たした小出恵介【写真:ENCOUNT編集部】

商業映画としての本格的な復帰作『銀平町シネマブルース』

 映画『銀平町シネマブルース』(2月10日公開、城定秀夫監督)で本格的な主演復帰を果たした俳優の小出恵介(38)。本作はかつて青春時代を過ごした銀平町に帰ってきた一文無しのの青年・近藤が、小さな映画館に集まる個性豊かな人々との出会いを通じて、人生と向き合っていくストーリー。自身の私生活も重なる物語に、どう向き合ったのか。(取材・文=平辻哲也)

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 2019年から2年間、ニューヨークの演技学校で学んでいた小出。21年7月にはABEMAのドラマ「酒癖50」などにも出演しているが、本作は商業映画としての本格的な復帰作となる。演じるのは、ある出来事をきっかけに、仕事をやめて、ホームレス寸前の生活を送っていた青年だ。

「復帰させていただいて、2年ぐらいたつんですが、いいペースで仕事させていただいているなと思います。お話しをいただいたのはドラマの撮影を終わった頃で、映画に出たいなという思いがあったんです」と明かす。

 映画館を舞台にした良質な人間ドラマ。映画好きなら、魅了されるだろう。浅田美代子、渡辺裕之、吹越満、藤田朋子、片岡礼子ら 豪華ベテランや人気ミュージシャンの藤原さくら、Podcast番組が人気急上昇中の日高七海、『ビリーバーズ』の宇野祥平、『愛なのに』の中島歩、さとうほなみ、『アルプススタンドのはしの方』の小野莉奈と平井亜門など城定監督作品の常連が集結した。

 それにしても、自身ともだぶる主人公役に抵抗はなかったのか。

「仕事を再開させていただくと、いろんな役が来るなと思います。僕を切り取って、撮っていただけるのはありがたいことですし、それは一つの提案だと思っています。それがどういうニュアンスであれ、向き合っていきたいっていうふうに思っているんですよね」。

 2005年、日本テレビ系ドラマ『ごくせん』でデビューし、同年、映画『パッチギ!』(井筒和幸監督)での演技で注目を集めた。映画とテレビドラマは自身を育ててくれた場所でもある。

「映画は、小手先だけの演技ではバレてしまうと思います。映画は、俳優のいいところも悪いところも見えてしまうメディアだと思っていますので、そういう意味では怖さもありました。ここから演者としての第2章が始まるんだと感じましたし、心地よい怖さ感じながら、ルーキーのような気持ちを覚えながら、その人物でいることをしっかり体に浸透させて、やらせていただきました」と振り返る。

 劇中で印象的なシーンが、映画館の映写技師役を演じた渡辺裕之さんとダンスを見せるものだ。渡辺さんは撮影から約1年後の22年5月に亡くなってしまった。

「人一倍の準備をされる方で、撮影の空き時間にもずっとダンスを練習されていて、びっくりしました。キャリアのある方の中には少し力を抜いて、楽しんで演じる方もいらっしゃると思うんですけども、渡辺さんは仕事に対する向き合い方が熱心でした」と故人を悼んだ。

 メガホンを取ったのは『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』など作品が相次ぐベテランの城定秀夫氏。

「具体的なことはあんまり言わない方で、自分で考えろということかもしれません。役者って、ぜい沢というか、わがままというか、細かく言われたら、うるさいなと思うし、言われないと不安になるものなんです。まだまだ青いというか、自信のなさの証拠ですね。今回は監督を信じ、役を信じたことで、主人公が立っていた気がするので、よかったと思います」

 最初は小出の私生活も透けて見えてしまうが、次第に主人公の人生に見えてくる。そこは小出の演技力のなせる技と言える。本作が本格復帰の大きなきっかけになりそうだ。

□小出恵介(こいで・けいすけ)1984年2月20日生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。2005年、日本テレビ系ドラマ「ごくせん」でデビュー。同年、映画『パッチギ!』(井筒和幸監督)に出演し注目を集める。以降、TBS系ドラマ『ROOKIES』、『JIN・仁』、『Nのために』、フジテレビ系『のだめカンタービレ』、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、映画『僕の彼女はサイボーグ』(08年)、映画『風が強く吹いている』(09年)など映画やドラマ、舞台などで幅広く活動。近年の主な出演作に、映画『シン・ゴジラ』(16年)、『愚行録』(17年)、『ハルチカ』(17年)、『戦神ゴッド・オブ・ウォー』(17年/ゴードン・チャン監督)、『女たち』(21年)、『Bridal,my song』(22年)、ABEMAオリジナルドラマ『酒癖50』(21年)、舞台『群盗』(22年)、『12人の淋しい親たち』(22年)、『「日本昔ばなし」貧乏神と福の神~つるの恩返し~』(22年)など。

ヘアメイク:永瀬多壱(VANITES)

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ブランド名:ラグ & ボーン 

上記全ての問い合わせ先:
rag & bone 表参道店 
Tel: 03-6805-1630

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