芥川賞・佐藤厚志氏は仙台在住の書店員 両賞4作同時受賞に「『ヤッター』という気持ち」

第168回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が19日発表され、芥川賞を受賞した佐藤厚志氏が都内のホテルで記者会見に出席した。受賞作は『荒地の家族』(新潮12月号)。初の候補入りで、芥川賞は井戸川射子氏の『この世の喜びよ』(群像7月号)とのダブル受賞となった。

佐藤厚志氏【写真:ENCOUNT編集部】
佐藤厚志氏【写真:ENCOUNT編集部】

受賞作は自身も経験したという東日本大震災がテーマ

 第168回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が19日発表され、芥川賞を受賞した佐藤厚志氏が都内のホテルで記者会見に出席した。受賞作は『荒地の家族』(新潮12月号)。初の候補入りで、芥川賞は井戸川射子氏の『この世の喜びよ』(群像7月号)とのダブル受賞となった。

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 佐藤氏は1982年生まれ。17年に『蛇沼』で第49回新潮新人賞を受賞しデビュー。宮城・仙台市在住の書店員だ。

 受賞作は自身も経験したという東日本大震災をテーマ。「今の地点から振り返った風景をリアルに表現できたらと。本屋で何か面白い本がないかなというときに、震災がテーマの小説にはなかなか手が伸びづらい。今回受賞したことで、結果的に、忘れられることにささやかな抵抗ができたのであればよかった」と話した。

 勤務先の書店ではすでに自身の受賞作が並べられているといい、「ちょっと写真を撮ったりはしましたね。並べちゃえば自分の小説でも商材のひとつ。今おすすめの本のひとつとして、『イキのいいのが入ってますよ!』と紹介したい」。今回、芥川賞・直木賞が2作ずつ、合計4作品が受賞したことについては「話題になりますし、書店員としては『ヤッター』という気持ちです」と話した。

 正賞は時計、副賞は賞金100万円。贈呈式は2月下旬に都内で行われる。

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