温泉にタオル着用で入るのはなぜNGなのか 専門組織に聞いた入浴の適切なマナー

旅行・観光の人出が回復していく中で、冬場の温泉を楽しみにしている人は多いだろう。一方で、ネット上などでたびたび議論になるのが、入浴マナーだ。利用客同士で何かトラブルになってしまっては、せっかくの温泉旅が台無しになってしまう。そもそも、「温泉の湯船にタオルを身に着けて入ること」はなぜいけないのか。快適に過ごすためのアドバイスや気遣いの作法、適切なマナーについて、温泉の研究や知識の普及などに取り組む全国組織「一般社団法人 日本温泉協会」に聞いた。

 温泉入浴マナーの気になる疑問を教えてもらった(写真はイメージ)【写真:写真AC】
 温泉入浴マナーの気になる疑問を教えてもらった(写真はイメージ)【写真:写真AC】

過度な入浴は「控えること。1日2~3回が限度です」 日本温泉協会に聞く

 旅行・観光の人出が回復していく中で、冬場の温泉を楽しみにしている人は多いだろう。一方で、ネット上などでたびたび議論になるのが、入浴マナーだ。利用客同士で何かトラブルになってしまっては、せっかくの温泉旅が台無しになってしまう。そもそも、「温泉の湯船にタオルを身に着けて入ること」はなぜいけないのか。快適に過ごすためのアドバイスや気遣いの作法、適切なマナーについて、温泉の研究や知識の普及などに取り組む全国組織「一般社団法人 日本温泉協会」に聞いた。

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 まずは、基本的なマナーの気になる疑問から。「温泉のお湯の中にタオルを身に着けて入ってはいけない」とよく注意される。テレビの温泉番組では「特別に許可を得て撮影しています」といったテロップが入ることが見受けられる。なぜ、タオル着用が“NG”とされるのか。

 同協会の担当者は「タオル自体が汚れている可能性がある、タオルの繊維がほつれて湯を汚すなどと一般的に言われていますが、法的根拠はありません。しかし、気にされるお客さんもいるので、大半の施設ではタオルを浴槽につけないように掲示していると思います」との回答を寄せた。

 ただ、温泉の入浴スペース自体にタオルを持ち込むことは一般的に許容されるだろう。小さなタオルの置き場所などの適切なマナーについて、「浴槽にかからなければ湯船の縁など、どこに置いても構わないと思います」とのこと。また、「のぼせ防止のために水に浸したタオルや手拭いを頭に置いても構いません」と教えてくれた。

 事業者側として、マナー違反や迷惑行為で困っていることはあるのか。聞いてみると、「清潔好きな方から、『体を洗わずに入浴される方がいるので注意してほしい』などの苦情があります。入浴前には体をよく洗い、他人に不快な思いをかけないようにしていただきたいです」とのことだ。

 新型コロナウイルス禍における注意点もあるといい、「入浴施設に行く前に体調管理をしてコロナなどに罹患(りかん)されている可能性のある方は入浴をご遠慮いただきたいです。また、できるだけ静かに入浴していただきたいです。入浴時マスクは推奨していません。ただし、入浴施設の指示には従っていただければと思います」。

 また、同協会では外国人向けのマナーポスターを施設側に販売して啓発に努めているという。

 本格的な冬シーズンが到来した。健康管理や周囲への配慮に気を付けながら、ゆっくりと安心安全に温泉を楽しみたい。同協会は「(1)日々の体調管理(体温測定)をしっかりと行うこと。具合が悪いと思ったら入浴をしないこと。(2)体に合った泉質、温度の温泉を選ぶこと。心配ならば温泉療法医に相談してください。(3)過度な入浴は控えること。1日2~3回が限度です。(4)マナーも大事ですが他人を攻撃的な目で見ず、せっかく湯船で会った湯仲間ですから、『こんにちは、いいお湯ですね』などあいさつを交わして和気あいあいと温泉入浴をお楽しみください」としている。

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