【RIZIN】王者・伊澤星花、“喧嘩自慢”流行歓迎「格闘技って人によって付き合い方が違う」

格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」(ABEMA PPVで全試合を完全生中継)は大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される。「Bellator」との対抗戦など格闘技ファン垂ぜんのカードがそろった今大会。ENCOUNTでは注目への出場選手へのインタビューを実施した。今回はパク・シウ(韓国)と「RIZIN WORLD GP2022スーパーアトム級トーナメント」の決勝を戦う伊澤星花(フリー)。気になる打撃面についてや2022年の格闘技、大学の後輩たちへのメッセージを語ってもらった。

取材でもニコニコだった伊澤星花【写真:ENCOUNT編集部】
取材でもニコニコだった伊澤星花【写真:ENCOUNT編集部】

女子トーナメント決勝でパク・シウと対戦

 格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」(ABEMA PPVで全試合を完全生中継)は大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される。「Bellator」との対抗戦など格闘技ファン垂ぜんのカードがそろった今大会。ENCOUNTでは注目への出場選手へのインタビューを実施した。今回はパク・シウ(韓国)と「RIZIN WORLD GP2022スーパーアトム級トーナメント」の決勝を戦う伊澤星花(フリー)。気になる打撃面についてや2022年の格闘技、大学の後輩たちへのメッセージを語ってもらった。(取材・文=島田将斗)

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――RIZIN参戦から1年、無敗です。昨年大みそかの初参戦時と今の心境の違いは何ですか。

「最初はただ出て勝ちたいなぐらいの気持ちだったんです。でも今はその女子格闘技をもっともっと盛り上げるために、良い試合をして、勝ちたいなっていう気持ちが強くなりました」

――伊澤選手にとっての良い試合とはどういうものなのでしょうか。

「もちろん一本で勝ちたいという気持ちはあるんですけど、判定でもアグレッシブな展開を作り続けて、動きのある試合、スクランブルのある試合をしていきたいです。そういう試合が見ていても面白いので、動きのある試合でレベルの高い攻防を見せていきたいです」

――その中で、打撃というのはどれくらい頭にあるのでしょうか。

「今は打撃と組みをメインでやっているので、割合的には重きを置いています。打撃でも見せられるのかなというところはあります。自分はリーチが長いので、殴り合いよりもリーチを生かした戦い方をしていければいいなと思います」

――テイクダウンの部分はかなり自信になっているのでしょうか。

「テイクダウンは自信もあって、プラス打撃とテイクダウンのつなぎが自分の中ですごい得意。見ていただければ、レベルの高い動きができていると分かるんじゃないかと思います」

――パク・シウ選手はRIZINで無敗です。DEEP参戦のころと何が違うと思いますか。

「フィジカルが強くなっているなという印象がありますね。大体見ている試合だとフィジカルで上回って勝っているような試合が多い。そこが1番の強さかなと思います」

――パク・シウ選手の打撃はどのようにとらえていますでしょうか。

「当たったら効かせられる1発が重いパンチっていう印象ですね。前回パク・シウ選手と対戦した時、サッカーボールキックをもらった後にフラッシュダウンみたいにはなりましたけど、効かせられた感じはなかったです」

――実際、自分の打撃にどれくらい自信がありますか。

「“総合”の打撃だと、今回の試合も自分の方が上回ってるんじゃないかなっていう自信もあります。総合なので、打撃だけじゃなくて、組みありきでの打撃。その点ですごいプレッシャーかけやすいのかなと思います」

格闘技が盛り上がった2022年を振り返る

――2022年女子選手の計量失敗が大きく取り上げられたと思います。伊澤選手の目にはどう映っていましたか。

「きつかったら上げればいいのかなって思います。そこまで階級にこだわらないで、自分が動ける階級で出るのがいいのかな」

――伊澤選手は柔道でも経験したと思います。改めて階級にこだわる理由は何なのでしょうか。

「フィジカル的にも、下の階級で出た方が有利になるという考え方は多いと思う。でも実際どうなんだろうっていうのはあります。人それぞれですよね。自分の場合は52.2のストロー級で減量なしで出ていました。相手の力強さは52.2の方が全然強くてその点では49に調整した方が、自分のパワーが上回れたりするので、楽だなっていうのはあります」

――その中で今までで1番きつかった試合はどちらになりますか。

「2回目の浜崎朱加戦ですね。3ラウンド目までやっぱり攻めてきて、3ラウンド目には十字を取られそうな部分もあってっていうところで、あの試合が1番きつかったなって」

――4月の「RIZIN.35」の試合後会見では“世界”に対してあまり興味がなかったと思うのですが、最近は世界を口にしています。どんな心境の変化があったのですか。

「心境の変化が特にあったわけではなくて、世界一にはなりたいみたいな(笑)。だけど団体とかはよく分からないです。今回もベラトールとRIZINの対抗戦があるんですけど、この間、RIZIN CONFESSIONSを見て、『みんなめっちゃ強そう』って思うぐらいの知識のなさです(笑)。知識はないけど、やるなら世界一になりたいなっていう気持ちはあります。RIZINでもっと活躍していくのか。または世界の強い選手にもっとアピールしていきたいという気持ちもあります」

――トーナメント優勝したら敵なしにも思えるのですが、次の展開をどう考えていますか。

「世界で49キロの選手が少ないので、そしたら階級を上げていくしかないなとも思います。逆に49キロで自分が中心となってもっと強い選手を探してやれたらいいなって。どんどんいろんな選手とやってみたい」

――“喧嘩自慢”が2022年に流行しました。どう見ていましたか。

「面白いからいいのかなと思います(笑)。でもいろんな意見もあって『格闘技の品位を下げるな』とかあるんですけど、そもそも格闘技って人によって付き合い方が違うと思うんです。もちろんプロ格闘家の人もいるし、逆にフィットネス会員の方もいる。人それぞれなのかなって。ルールだけ犯罪とかそういう法だけ犯さなければ、好きにやっていいのかなとは思いますけどね。そこのラインはしっかり守りながら、その人に合ったやり方で、格闘技を楽しんでもらえればいいのかなと思いますね

 むしろ、(指導を受ける)横田(一則)さんも今回BreakingDownのオーディションに行ってて、試合が決まるかどうかなんです。そしたら面白いじゃないですか。広がるじゃないですか、やっぱり幅が。これまで何もしてなかった人が、格闘技を通して、なんか活躍していってくれるのは良いことだし、認知度も上がっていく。法だけ守ってもらえれば(笑)」

――柔道、レスリング、相撲、MMAとさまざまな競技をやってきたと思うんですが、“最強”は何ですか。

「何を持って最強とするのかで変わりますけど、1番奥深くて自分がやってきた中で面白いなって思うのは、総合格闘技です」

後輩たちへメッセージを送った伊澤星花【写真:ENCOUNT編集部】
後輩たちへメッセージを送った伊澤星花【写真:ENCOUNT編集部】

現在も大学院生の伊澤が母校・東京学芸大学の後輩たちへメッセージ

――現在も東京学芸大学の院生です。柔道部の後輩たちに伝えたいことはありますか。

「学芸ってすごい教員(志望)寄りな人が周りにいると思うんですけど、一歩外に出たらすごい世界は広がる。自分はそれをすごい感じています。学芸の外に出たら、自分の優秀さにめちゃくちゃ気付きます。ちょっと一歩外に出てみたりするのも時々ありかなって思います。視野を1回広げてみるのもいいです」

――伊澤選手の夢である「ジムを開くこと」にも学芸の学びは起因していますか。

「そうですね、やっぱり教えることは好き。今、格闘技にもすごい魅力を感じてて、その両方を兼ねそろえてるのがジムだなっていうのがあります。今まで教職などで教わってきたこれまでの学びって、教員以外でもなんでも生かせるなって思っていて、格闘技の指導者としても、逆に格闘技教わっている立場でも、学芸での学びがすごく活かせています。

 自信を持って、どこに行っても大丈夫だよってみんなには言ってあげたいです。学芸ってレベルの高い学校なので、その中にいると『ちょっと不安かも』っていう気持ちが強い子もいると思うんです。でも、一歩外に出たら思ったより優秀だから大丈夫だよって伝えたいです」

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