「アバター2」ヒロインが語るJ・キャメロン監督の素顔「私のキャリアにも影響与えた」

13年ぶりの続編映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(ジェームズ・キャメロン監督、公開中)はすべてが破格の超大作だ。しかし、描かれているのは宇宙でも最小の社会の単位である家族の物語。ヒロイン・ネイティリ役のゾーイ・サルダナ(44)が映画の魅力、キャメロン監督について語る。

取材に応じたゾーイ・サルダナ【写真:ENCOUNT編集部】
取材に応じたゾーイ・サルダナ【写真:ENCOUNT編集部】

家族の物語 ヒロイン、ゾーイ・サルダナは私生活でも3児のママ

 13年ぶりの続編映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(ジェームズ・キャメロン監督、公開中)はすべてが破格の超大作だ。しかし、描かれているのは宇宙でも最小の社会の単位である家族の物語。ヒロイン・ネイティリ役のゾーイ・サルダナ(44)が映画の魅力、キャメロン監督について語る。(取材・文=平辻哲也)

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「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」は没入感たっぷりの映像世界が売り。最新SFXで作り上げられた世界、スペクタルなアクションシーンには目を奪われるが、その物語は極めてベーシックなホームドラマだ。家族の愛、青春期の葛藤が描かれる。前作から10年後の神秘の惑星パンドラが舞台。元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)は原住民ナヴィ族のネイティリ(サルダナ)と結ばれ、2人の息子と娘をもうけ、家族のような子供たちと暮らしている。しかし、人類は再び襲撃。ジェイクたちは住み慣れた森を離れ、広大な海へ。そこにも追っ手が迫ってくる……。

 私生活では2013年にイタリア人アーティストのマルコ・プレゴ氏と結婚し、15年に7歳の双子、17年に三男をもうけたサルダナ。本作では母親を演じたことに「私生活での経験は大きいと思うわ」と話す。

 映画界の先駆者・キャメロン監督はどんな人物なのか。「俳優に寄り添い、心を寄せてくれる人。と同時に科学者のような好奇心を持っています。非常に知的な方で、欲求も高い。それがみんなにも感染するんでしょう。監督は周辺にいる人や弱者に心を寄せることができる。そういった広い心を持った方ですね。私のキャリアにも大きな影響を与えてくれました」。

 09年にはこの「アバター」、J・Jエイブラムス監督の「スター・トレック」(09)と相次いで大作に出演。「スター・トレック」シリーズのウフーラ役、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズでは、緑色の肌の暗殺者ガモーラを演じてきた。

 もうひとりのヒットメーカー、J・Jエイブラムス監督作品に出演したことも、キャメロン監督の影響があったという。「彼は、自分の親が楽しんできた『スター・トレック』を残したいとリブート作品として作ったわけですが、キャメロン監督とお仕事をしたことによって、私も賢く、どの監督と仕事をするかを選ぶということを学びました」と明かす。

 ネイティリ役を演じるに当たっては、アクションも再び磨きをかけた。「私はナヴィの優雅な動きには、中国武術が関係しているのではないかと思って、再び学び直しました。後は前作を見直して、ナヴィ的な動きや言葉も。今回は素潜りしながら演技をしなければならず、最初のうちはキャスト全員が怖がっていたんですが、やっているうちにこれほど楽しいものはないと気づきました」。

 最新SFX技術を駆使したハリウッド大作に数多く出演しているが、本作で最も驚いたのはモーションキャプチャーの技術の進化だという。

「シガニー・ウィーバーが14歳の少女(※前作ではグレース博士を演じたが、本作ではそのDNAを受け継いだ少女キリ役で出演)にもなれるし、私も青い巨人にもなれる。かといって、私たちの演技の幅が制限されるわけでもないんです」

 本作は前作が打ち出した世界興収1位(28億1077万9794ドル)の記録更新にも注目を集めているが、「そういったことは考えてはいなかったですね。キャメロン監督は心から気にかけるものがあって、この作品を作った。それは海のこと、熱帯雨林のことで、戦争も懸念しています。それらが人の心にどう響くか。みなさんに響けば、結果が伴ってくるかなと思っています。今は配信もありますが、この映画は映画館で観るべきです。一つは時間、労力、愛情がたっぷり注ぎ込まれているから。二つ目は、映画がここまで進化したことを確かめられるから」と力を込めた。

 本作は12月16日に全世界で公開され、22日現在で世界興収6億ドルを突破している。

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