大林宣彦監督を偲んでNHKが関連番組放送へ 「青春は戦争の消耗品ではない」メッセージに迫る

NHKは、4月10日に逝去した大林宣彦監督を偲び、関連番組を放送することを発表した。

2018年放送「最後の講義」の大林宣彦監督(C)NHK
2018年放送「最後の講義」の大林宣彦監督(C)NHK

大林宣彦監督を追悼する番組放送が決定 映画に人生をささげた感動のメッセージ

 NHKは、4月10日に逝去した大林宣彦監督を偲び、関連番組を放送することを発表した。

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 最後の講義「大林宣彦」(2018年3月11日放送)は、BS1で4月16日(木)午後11時から放送する。米国の有名大学で行われている「最後の講義」を番組化したもので、大林監督が登壇した。「時をかける少女」「さびしんぼう」など数々の作品で日本の映画界を牽引。がんで余命3か月の宣告を受けた後も次々と新作をつくった。映画づくりを志す多くの若者に全身全霊で語った言葉とは。黒澤明監督との約束、小津安二郎監督の「東京物語」に込めた物語、壮絶な戦争体験……映画に人生をささげた監督の感動のメッセージだ。

 「大林宣彦監督をしのんで」は2番組で、NHK総合で4月19日(日)午後3時5分から放送される。

 まずは、目撃!にっぽん「それでも僕は映画を撮る~監督・大林宣彦 80歳の決意~」(2018年10月7日放送)だ。「映画には力と美しさがある。それを信じて僕は撮り続ける」--。大林監督はいま、自らの体をむしばむがんと向き合いながら新たな映画を世に送り出そうとしている。故郷・広島県尾道市で行われた撮影に密着。映画に思いを注ぎ、若者たちの可能性を愛しながら、全身全霊で撮影に臨む大林監督のメッセージに迫る。

 クローズアップ現代+「大林宣彦監督 生きる覚悟」(2019年11月28日放送)では、がんで余命宣告を受け「遺作」と呼ぶ映画を完成させた大林監督を特集。広島で開催された国際映画祭に新作を携えて参加、尾道にも帰郷する。新作で常盤貴子や満島真之介ら若手俳優に志を伝えるなど、衰える身体の中でも執念は決して衰えていない。その根底には、戦争を経験した人間としての責任や黒澤明監督から託された「遺言」がある。病身を押しての今回の旅路をともにたどりながら、作り手としての責任を最後まで果たしていきたいという強いメッセージに迫る。

 4月26日(日)午前0時30分からは、EテレでETV特集「青春は戦争の消耗品ではない 映画作家 大林宣彦の遺言」(2017年9 月2日放送)を予定している。

 末期がんを宣告された映画作家・大林宣彦、79歳。43作目に選んだテーマは“戦争”。華麗でポップな映像世界で知 られた大林監督が、なぜ今、戦争を描くのか。そこには軍国少年だった頃の記憶、そして青春を戦場で過ごした父の姿があった。新作「花筐」のシナリオには、太平洋戦争へ向かう青年たちの葛藤が書き込まれた。「青春が戦争の消耗品だなんてまっぴらだ」。映画人生の集大成に挑む大林監督の1年を追う。

次のページへ (2/2) 【画像】大林宣彦監督の場面カット
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