20代女性、1人焼き肉中に“近くのおじさん”に勧められた車を買ってみたら…「すごく楽しい車」

人が車を選ぶ理由はさまざまだ。メーカー、車種、性能、色など、多くの場合は好みがあるもの。だが、中には全く予想外のことがきっかけになることもある。埼玉県の20代女性Mさんは1人焼き肉中に、近くに座っていた客のおじさんに勧められた車を購入したという。車はイベントでも注目を集めており、偶然の出会いが、女性の人生をも変えてしまった。

愛車との2ショットを決めたMさん【写真:ENCOUNT編集部】
愛車との2ショットを決めたMさん【写真:ENCOUNT編集部】

偶然勧められた1台 ビートは「冒険させてくれる車」

 人が車を選ぶ理由はさまざまだ。メーカー、車種、性能、色など、多くの場合は好みがあるもの。だが、中には全く予想外のことがきっかけになることもある。埼玉県の20代女性Mさんは1人焼き肉中に、近くに座っていた客のおじさんに勧められた車を購入したという。車はイベントでも注目を集めており、偶然の出会いが、女性の人生をも変えてしまった。(取材・文=水沼一夫)

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 Mさんの愛車は赤い1991年式のホンダビートだ。購入は3年前になるが、その理由が一風変わっている。

 1人で入った焼き肉店でのことだった。

「もともと古い車でオープンカーでマニュアルという車に乗りたくて、たまたまその話を焼き肉屋さんでしていたときに、近くに座っていたおじちゃんが『ビートいいよ』と言ってくれて、それだけの理由でビートを探して買いました。もともとビートに乗りたかったかと言われると、むしろ全然ビートという車も知らなくて、焼き肉屋で初めて知って、という流れです」

 おじさんがビートを勧めた理由とは?

「その人の知り合いの人がビートに乗っていたらしくて、もう不動車で動かなかったんですけども、それでも手放せないくらい愛着のあった車らしくて、すごくフィーリングというか、運転していた車と一緒になれるみたいなお話でした。これ1台目の車だったんですけど、それにするにはちょうどいいんじゃない、みたいな感じでお勧めしてもらいました」

 話を聞いているうちに、Mさんは車への関心を持ち、購入を決意。知人のつてを頼って探し、今の愛車にめぐり会った。

「知り合いで中古のオークションの業者の方がいて、その人にオークションで落としてきてもらった感じです」

 事前に候補となる車のスペックを聞き、好みを伝えた。なかなか落札できなかったが、赤いビートを射止めた。価格は本体で55万円だった。

 免許を取って初めての車。オートマチックではなく、マニュアルを選択したのはなぜか。

「単純にかっこいい。ガチャガチャやっているのがなんかかっこよさそうだなと思って、というだけの理由です。フフッ」

 実際に運転してみてどうだったのだろうか。

「おじさんの言う通り、という感じです(笑い)。すごく楽しい車で、どんな道を走っても楽しい。普通のいわゆる街中を走っても面白いし、山とかそういうところに行っても楽しいし、狭いのでちょっとした小道も冒険できちゃう。大きい車だとどうしても『横すらないかな』とか心配になっちゃうと思うのですが、ビートだったら意外とどこでも走っていっちゃう、そういう冒険させてくれる車という感覚が自分の中では強いです」と、絶賛した。

 小回りが利くだけでなく、おじさんの話にあった“一体感”も実感している。

「すごくありますね。本当に人が収まるサイズ。自分が運転しているんだぞ、みたいな感覚が直に味わえる車だと思います」

 一方で、あまり使用していないのがオープンカーの用途だという。

「(屋根は)買ってから10回も開けていないですね。意外と手間だったりとか、途中で雨が降って来たらどうしようかなとか、鳥ふんが落ちて来たら嫌だなとか、結構、心配性なところもあるので。それでも絶対に今日は晴れるでしょうみたいな日は開けて少し走ったりしています」

焼き肉店で出会ったおじさんに購入の報告は?

 休日には車のイベントなどにも積極的に参加し、ドライバー同士の交流を深めている。そこでも、車の持つ魅力を感じている。

「人の輪は広がったなという気はします。それこそイベントとか行くと、やっぱり若くて女性でというだけで、ちょっと珍しいねみたいなところから始まるんですけど、それで結構年代問わず、幅広い仲間ができたかなという感じはします。ビートに乗っていなかったら、たぶんそういうつながりもできなかったので、そういう意味ではちょっと良かったかなという感じです」

 一般的に、車関連イベントの参加者は男性のほうが圧倒的に多い。だが、日ごろ「ドライブするのも1人だし、イベントに行くときも基本的には1人で行きます」という行動派のMさんは全く気にしないという。

「あんまり自分はその辺は気にしなくて、むしろ1人で行った方が気楽というか楽ですね。ビートに乗り始めたときに、周りで『珍しいの乗っているね』と言ってくれるのが、おじさんばっかりだったのと、焼き肉屋に1人で行ってそういう話をするくらい何か“おじさん慣れしている”と言ったら変ですけど、男性が多いことに対する抵抗がないのもありますね」と笑顔を見せた。

 3年乗って、車も徐々に手を入れている。「こないだ、シートの張り替えを済ませたばかりで、これから年度末にちょうど車検があるので、そのときに全塗装とあとはモール類だったりワイパーだったりをリフレッシュしていきます」。独特のカスタムを進めるのではなく、ノーマルの部分を大切にし、細かいレストアを行っている。

 焼き肉店で出会ったおじさんに今、伝えたい言葉は。

「『あのあとちゃんとビート買ったよ!』というのは伝えたいです。結局ビートを買ってからその人に会えていないので、どこかで会えたら見せたいなという気持ちはありますね」とMさんは話した。

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