船木誠勝と桜庭和志が15年ぶりの一騎打ち 日本格闘史を彩ってきた2人の直接対決

船木誠勝と桜庭和志。プロレスと格闘技の双方でファンを熱狂させた2人のレジェンドファイターが、15年ぶりに雌雄を決することになった。

桜庭和志の大活躍がプロレスファンを救った【写真:柴田惣一】
桜庭和志の大活躍がプロレスファンを救った【写真:柴田惣一】

10・30有明アリーナ大会で激突

 船木誠勝と桜庭和志。プロレスと格闘技の双方でファンを熱狂させた2人のレジェンドファイターが、15年ぶりに雌雄を決することになった。

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 プロレスが格闘技イベントに押されていた時代に、2人は「プロレスラー」として、格闘技イベントに勇躍、乗り込んでいった。ともに大きなインパクトを残し、プロレスファンの喝采を浴びている。

 その2人がノアで再会。30日、東京・有明アリーナでGHCナショナル王座をかけて王者・船木に桜庭が挑戦する。これまでの2人の軌跡を思い出し、何とも感慨深いものがある。

 前回の一騎打ちは2007年大みそか「K-1 PREMIUM Dynamite!!」(京セラドーム大阪)大会だった。00年にヒクソン・グレイシーに敗れ、引退していた船木の復帰戦だった。

 桜庭のチキンウィングアームロックに敗れた船木。「何もできずに敗れた」と、不本意な黒星に悔しさを募らせていた。15年の月日を経て訪れた再戦のチャンスに「今回はそうはいかない」とリベンジに燃えている。

「GHCマーシャルアーツルール」を提案したのも自然な流れだった。KO、ギブアップ、TKOのみで決着をつけることになった。

 この15年間、2人はキャリアを重ねてきた。さまざまな経験を積んだことで進化してきた。熟練のテクニックもさらに向上したはず。桜庭との前哨戦を終えた船木は「やはり、ひと味違う。関節技が進化している。彼のことをトコトン研究したい」と振り返っている。

 10・30決戦まで、さらに精進を積んで、桜庭の技、戦術などできる限り丸裸にするという。

 一方、桜庭は「船木さんは船木さん。やはり何を考えているか、分からない。こんなにやりづらい選手はいない。だまし合いに、負けないようにしないと」と警戒感を強めている。

 ノアマットで下から関節を狙っているうちに、3カウントを奪われてしまうシーンがあった桜庭にしてみれば、フォール勝ちがない今回のルールは、自分の闘いにより集中できるはず。思う存分、グランド戦でねちっこく攻め立てられるだけに、今回は、より「桜庭の土俵」と言える。

 もちろん、船木もただマーシャルアーツを提案したはずがない。桜庭が危惧しているような「落とし穴」をいくつも用意しているに違いない。

 桜庭は、常人では考えつかない自由な発想で柔軟な闘いができる曲者。だが、船木も若いときからいくつもの修羅場をくぐり抜けて来た百戦錬磨のツワモノだ。

 プロレスと格闘技。似て非なる部分も存在する2分野で、世間の注目を集めてきた2人の15年ぶりの一騎打ち。これまでの数々の激闘に感動し「大切な青春の思い出」だと、今でも熱心に応援しているファンも多い。

 勝敗はもちろん気になるが、その内容に期待はふくらむ。試合開始のゴングは、いつもより高らかに鳴り響くだろう。注目の一戦が待ち遠しい。

次のページへ (2/2) 【写真】GHCナショナル王座のベルトを腰に巻く船木誠勝
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