宮沢氷魚が声優デビュー 幼稚園~高校まで男子校「学校に女の子がいてうらやましい」

俳優の宮沢氷魚(28)がアニメ映画「僕が愛したすべての君へ(僕愛)」「君を愛したひとりの僕へ(君愛)」(10月7日、2作同日公開)で声優デビューを果たした。中学生から大人へと成長していく主人公を演じた宮沢は「幼稚園から高校まで男子校だったので、同じ学校に女の子がいるのがうらやましいなと思った」と甘酸っぱい気持ちがこみ上げたそう。声のみで臨んだ初めての作品を観た時には「一番大切な人に会いたくなった」と思いを明かした。

舞台あいさつに登壇した宮沢氷魚
舞台あいさつに登壇した宮沢氷魚

役者始動して5年目、「語学力を活かし、海外作品にも挑戦したい」

 俳優の宮沢氷魚(28)がアニメ映画「僕が愛したすべての君へ(僕愛)」「君を愛したひとりの僕へ(君愛)」(10月7日、2作同日公開)で声優デビューを果たした。中学生から大人へと成長していく主人公を演じた宮沢は「幼稚園から高校まで男子校だったので、同じ学校に女の子がいるのがうらやましいなと思った」と甘酸っぱい気持ちがこみ上げたそう。声のみで臨んだ初めての作品を観た時には「一番大切な人に会いたくなった」と思いを明かした。(取材・文=西村綾乃)

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 シリーズ累計発行部数40万部を突破した乙野四方字の同名小説が原作の映画は、並行世界を行き来することができる少年・暦(宮沢)が、それぞれの世界で別々の少女と恋に落ちるラブストーリー。独立しているが、絡み合う2つの物語は観る順番で結末の印象を大きく変える。

「並行世界を描いた2つの物語が同時に公開される。挑戦的な作品です。僕自身は、声優の現場は初めてだったので、慣れず苦戦をしました。たたずまいや表情などを伝えることができない。声のみの表現では、言葉を大切にしようと心がけていました。暦の人間性について、僕の中でしっくりと来る部分が見つかってからは、言葉に気持ちを乗せられるようになりました」

 宮沢が演じた暦は、それぞれの世界で別々の少女と出会う。「僕愛」では85番目の世界からやってきたという和音(橋本愛)と。「君愛」では、父の勤め先で栞(蒔田彩珠)にひかれていく。

「和音と二人でカラオケボックスに行った時、『私たちは恋人同士だった』と明かされた後、からかわれる場面があるのですが、このやり取りをしていた際に、暦の素直さや、怒っているんだけれど恥ずかしいという人間っぽさを感じました。僕は幼稚園から高校まで男子校だったので、同じ学校に女の子がいる暦がうらやましかったです。高校生くらいの頃は、女の子の気を引きたいとカッコつけてしまうことがある。全然カッコよくないんですけどね。強がっている暦を見ていて、『この気持ち知ってる』と思いました」

 進路、結婚など大きなものはもちろん。何を着るか、何を食べるかなど、人間は生きていく中でさまざまな選択を続けている。物語の中で暦は、7歳の時に大きな決断をする。

「僕が人生の中で大きな決断をしたのは19歳の時。アメリカ・カリフォルニアにある大学で環境学を学んでいた時でした。若さゆえの決断だったかもしれないけれど、実家を遠く離れて暮らしていた当時、ひとりになると『人生で何を成し遂げたいのか』をよく考えていました。そんな時に表現者として生きる道のすごさを知って、いま所属している事務所(レプロエンタテインメント)に履歴書を送りました」

 2015年6月に現在の事務所に所属し、同年に開催された「第30回『MEN’S NON-NO』専属モデルオーディション」でグランプリを獲得し、9月に専属モデルとしてデビュー。2017年からは始めた俳優業は今年5年目を迎える。

「画面に映る時間が長い、重要な役をいただくことが増えました。演じることで周囲に及ぼす影響を考えると、プレッシャーも感じています。苦しみ、迷うことの方が多いですが、だからこそ『次は、頑張ろう』と前を向くことができる。次はこんな風に変化させてみようなど、チャレンジをし続けることができる。大変なこともありますが、色々な経験をすることが出来る仕事。恵まれていると感謝しています」

 初心忘れるべからず。デビューのきっかけをつかんだファッション誌での活躍をきっかけにベテラン俳優へと飛躍した俳優の阿部寛を尊敬しているという。

「阿部寛さんは、同じ『MEN’S NON-NO』出身で、モデルから俳優へと転身された方。たくさんの困難を乗り越えて、地位を築いておられることに感銘を受けています。新人俳優賞をいただいた『第45回日本アカデミー賞』の授賞式で同じ会場にいたのですが、まだごあいさつが出来ていなくて。いつか共演できるように、鍛錬したいですね。評価をしていただき、期待をされていることも感じています。英語には自信があるので語学力を生かし、海外の作品にも出演したいですし、(国外の人に)日本の良さを伝えたいと思っています。自分にしかできない表現を探していきたいです」

■宮沢氷魚(みやざわ・ひお) 1994年4月24日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。17年にドラマ「コウノドリ」で俳優デビュー。ドラマ「偽装不倫」(19年)、連続テレビ小説「エール」(20年)などに出演。初主演した映画「his」(20年)にて数々の新人賞を受賞、また、映画「騙し絵の牙」(21年)では、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演。映画「グッバイ・クルエル・ワールド」が公開中。23年には、映画「エゴイスト」の公開が控えている。

次のページへ (2/2) 【写真】宮沢氷魚が「共感する」と話したカラオケボックスでのワンシーン
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