GLAY・TERU、60枚目のシングル制作にあった秘話 「TAKUROと一緒に泣いてしまった」

60枚目となるシングル「Only One,Only You」を発表したGLAY。7月には通算1000回目のライブを行うなど、デビューから28年目を迎えた現在もバンドは次々と歴史を塗り替えている。まさに日本の音楽シーンをけん引してきた4人の挑戦に終わりはない。そんなバンドのフロントマン、ボーカルのTERUに「新曲」、「ライブ」、「ボーカリスト」という3つのテーマで3回にわたってインタビューを紹介。1回目は新曲「Only One,Only You」について聞いた。

「GLAY」TERU【写真:荒川祐史】
「GLAY」TERU【写真:荒川祐史】

ライブを楽しむためだけのシングルにしたくない

 60枚目となるシングル「Only One,Only You」を発表したGLAY。7月には通算1000回目のライブを行うなど、デビューから28年目を迎えた現在もバンドは次々と歴史を塗り替えている。まさに日本の音楽シーンをけん引してきた4人の挑戦に終わりはない。そんなバンドのフロントマン、ボーカルのTERUに「新曲」、「ライブ」、「ボーカリスト」という3つのテーマで3回にわたってインタビューを紹介。1回目は新曲「Only One,Only You」について聞いた。(取材・文=福嶋剛)

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――今作でちょうど60作目のシングルとなります。あらためてデビューから積み重ねてきたバンドの重みを感じます。

「27年間で1年に2枚はリリースしていたことになりますよね。たしかに振り返ると結構すごいことですよね」

――GLAYというバンドにとってシングルはアルバムとはまた違った特別なものを感じますがいかがですか?

「こうやってライブを長年積み重ねてくると、『届ける』っていう言葉の持つ意味が深くなってきて、ひと言では表せないものになってくるんです。やっぱり人それぞれ抱えている問題や生活環境が違うし、いま世の中で起きてる身の回りのいろんな出来事だって受け取る人それぞれで違いますし。それを僕たちはどんな思いで受け止めて会場に来てくださっているんだろうって考えるようになりました。

 そう、1人1人の生活の一部になってほしいなっていう思いがありますね。どんなテーマであれ届けるという思いに関しては一緒なのでGLAYの音楽を聴いて少しでも何か前向きになったり、少しでも一歩踏み出すきっかけになったり、癒しになってくれたらいいなって思います。だからライブを楽しむためだけのシングルではなく、ライブに来られない人も意識しながら届けている部分があります」

――今のお話を踏まえて新作「Only One,Only You」についてお聞きします。聴けば聴くほど発見の多い曲で現在の世界の情勢に重ね合わせることもできれば、聴く人それぞれの抱える思いを代弁してくれているようにも感じました。そんな中で『どんな困難があろうと前を向こう』というメッセージが力強く響きました。

「今回、東京にいたTAKUROとリモートでつないで僕は函館のプライベートスタジオでボーカルのレコーディングをしました。それで歌入れが終了した時にTAKUROが『この曲を作った時にさ、朝起きて目が覚めて、ニュースを見る前に戦争が終わってればいいのになってずっと考えていたんだよね』と言ってボロッと泣き出したんです。きっと彼はそんな思いをはじめ、さまざまな感情を言葉にして『Only One,Only You』を作ったんだなって、そんな想像をしたら僕もその場で一緒に泣いてしまって(笑)。今回の曲は決して戦争というテーマでなく、そんなさまざまな思いを抱えたTAKUROからあふれ出てきた感情をそのまま曲にしたんです」

新曲を通してGLAYの曲作りへの思いを語ってもらった【写真:荒川祐史】
新曲を通してGLAYの曲作りへの思いを語ってもらった【写真:荒川祐史】

サビのコーラスは情熱的で素晴らしい仕上がりになった

――曲の後半にある平和や祈りにも似たコーラスがとても意味のある印象的な響きに感じました。

「うれしいです。今回、亀田(誠治)さんにコーラスメンバーをセッティングしてもらったんですが、コーラスのみなさんは、今回の曲に対する思いをすぐに理解してくれて、それぞれの思いを重ねて歌っていただきました。出来上がったサビのコーラスは本当に情熱的で素晴らしい仕上がりになりました」

――TAKUROさんの思いをのせた歌詞がTERUさんの繊細なボーカルによって立体化して、TAKUROさん、HISASHIさん、JIROさんの演奏がそこに景色や色彩を描いているような、そんな物語を感じました。やはり60枚目という思いもどこかにありましたか?

「たしかに60枚目っていう強い思いもメンバー全員が感じていたと思います。そしてTAKUROのこの曲に対する強い思いというものをメンバーが感じ取って、TAKUROが求めてるものと全員の思いが1つになった、そんな作品なんじゃないかなって思います」

□GLAY(グレイ) 北海道出身のロックバンド。TAKURO(ギター)とTERU(ボーカル)を中心に1988年に結成。89年にHISASHI(ギター)、92年にJIRO(ベース)が加入し現在の体制となり、94年にメジャー・デビュー。2005年に個人事務所を設立し、10年6月に「GLAYがもっと音楽に対して真っすぐである為に」という想いを掲げ、自社レーベル「loversoul music & associates」(16年に「LSG」と改名)およびECサイト「GLAY Official Store G-DIRECT」を発足、17年には公式アプリ“GLAY app”を立ち上げるなど、音楽を通してGLAYがあらゆる可能性にチャレンジしていけるよう、常に独自のスタンスで高みを目指し邁進を続けている。

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