勘違いから始まった俳優人生 話題作への出演急増中、19歳・水沢林太郎の素顔
俳優として数々の話題作に出演しながらも、「メンズノンノ」(集英社)専属モデルの顔を持つ水沢林太郎。10月15日からスタートするABEMA「覆面D」では物語のカギを握る生徒役に抜てきされた。役者にモデルと活躍の場を広げる19歳の素顔に迫った。
“永遠のテーマ”は「誰かを支えられる俳優に」
俳優として数々の話題作に出演しながらも、「メンズノンノ」(集英社)専属モデルの顔を持つ水沢林太郎。10月15日からスタートするABEMA「覆面D」では物語のカギを握る生徒役に抜てきされた。役者にモデルと活躍の場を広げる19歳の素顔に迫った。(取材・文=中村彰洋)
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芸能活動を始めたきっかけはモデルへの憧れだった。理由は「洋服をたくさん着たいから」というシンプルなもの。そんな夢をかなえるなために履歴書を送り続けた14歳の水沢が出会ったのが現在の所属事務所だった。しかし、「“モデル事務所”と“俳優の事務所”があることをその当時は知らなくて、今の事務所に送っていたんです」と勘違いをきっかけに“俳優”として芸能活動がスタートした。
「最初はよく分からずに演技レッスンを受けていました。楽しみ方がまったく分からなかったんです。作品のオーディションにも行かせていただいて、俳優をやりたかった訳ではないのに、なぜか悔しい思いをしていました。でも、初めて自分がテレビに出ることになった『奥様は、取り扱い注意』(2017年/日本テレビ)で現場に行ったとき、『ドラマを作るためにこんなにもたくさんの方々が携わって撮っているのか!』と思ったんです。そして、いざ自分のシーンを撮り終えてオンエアを見たら、3~4時間ぐらいかけて撮影したのに、30秒もなかったんです。そこにすごい悔しさを感じて、『もっと出たい!』という欲が出てきました。そこから役者をちゃんとやろうと思うようになりました」
役者として手応えをつかみ始め、覚悟を決めたタイミングでもあった19年に「第34回メンズノンノ・モデルオーディション」に応募。これをきっかけに同誌の専属モデルとなったは、当時は葛藤も抱いていたことを明かした。
「『モデルの夢はもういいかな』と諦めていたタイミングで『メンノン』のモデルオーディションが始まったので、複雑な心境でした。でもこんなチャンスを逃すわけにはいかないと思い、葛藤しながら受けました。実際、カメラの前でいろんな服を着ることができて、いろんな人と出会えて、モデルの楽しさに触れることができて、挑戦して良かったと思っています。今は俳優とモデルを両立したいです」
人気作にも多数出演するなど、俳優として成長を続ける水沢。オンエア尺も徐々に伸びてきたことに手応えを感じていた。「1分、2分と伸びたときに『来たぞ来たぞ』と思いながら、ちょっと調子に乗っていたときもありました。でも、そのたびに現場で打ちのめされることが起きてました(笑)」。
来年2月には二十歳を迎えるが10代でやり残したことは「ない」と断言
「覆面D」では、ヤングケアラーで不登校の高校生・武藤啓を演じる。
「事前準備に今までで1番時間を掛けました。下調べや映像を実際に見て、そのたびに胸が苦しくなりました。この苦しいという感情をベースに演じようと決意しました。初めて感情から作った役になりましたね。今までは似ている人を探して、コピーしながら自分を出していくというやり方だったんです。でも今回の役柄は、役でいる時間を長くしないと、“水沢林太郎の芝居”になってしまうと思ったんです。こんな口調でとか、過去の考え方、家族構成も分かっていたので、それらをすべて頭の中に入れました。いざ芝居をして、感じたことを監督とディスカッションして、反省して、という繰り返しをずっと続けていました。正直、『覆面D』の撮影中に役がなかなか固まらずにいたんです。後半でようやく芝居が安定してきたなという瞬間はありましたが、自分のふがいなさを感じました」
“闇”を抱えた生徒役に没入することで日常生活にも影響を及ぼしていた。
「本当にきつかったです。撮影中に別の演技レッスンに参加させていただいたとき、明るい役ができない状態になってしまいました。ここまで役が抜けないのかってぐらい……。涙が急に出たり、体に不調が出ることが多くて、自分にお金だったり時間を使えないという役どころなので、『ちょっと痩せたいな』という個人的な思いもあって、頭が回らないみたいな。ちょっと危険な状態でやっていた部分もあったので、そこは反省点です。でもいろいろ考えさせられましたし、目を背けちゃいけないなと思うところがたくさんあったので、武藤啓からいろんなことを教わりました」
ABEMAの人気恋愛番組「オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない」第7話ではゲストとしてスタジオ出演を果たした。今回がトークバラエティーには初出演ながらも、緊張するどころかありのままの“素”の表情を見せていた。
「マネジャーさんに『口を開きすぎ』と言われてしまいました(笑)。VTRを見ているときに、ポカーンと開いていましたね。家の感じでリラックスして楽しんでしまった部分もありました。いろんな人といろんな話をできるのがとても面白かったので、また機会があればこういったバラエティーにも出てみたいなと思いました」
“オオカミシリーズ”は、恋愛の駆け引きが人気を集めているが、「リアルさがあるからこそ、いろんな感情が湧くところが面白いです。見ている側の心が動かされるという部分が魅力だと思います」と絶賛だ。
「男女問わず、一生懸命やっている姿は魅力的です。また、細かい気配りだったり、普通の人が気づかないようなことをできる人を見るとキュンとすることはあります」とときめく瞬間も明かした。
来年2月5日には二十歳を迎える。10代でやり残したことは「ない」と断言するほどに充実した10代だった。
今後についても「大きい目標はない」としながらも、「誰かを支えられる俳優になれたらいいなと思っています。これは自分にとっての永遠のテーマになるんじゃないかなと思っています」と笑みをこぼした。
モデルに憧れ、飛び込んだ芸能界。勘違いをきっかけにたどり着いた俳優がいつしか人生の“やりがい”へと変わっていた。
「見えないスタートラインがやっと見えて、そこにようやく立てた感じですね」
□水沢林太郎(みずさわ・りんたろう)2003年2月5日、埼玉県。17年10月に「奥様は、取り扱い注意」(日本テレビ)で俳優デビュー。19年には「第34回メンズノンノ・モデルオーディション」で準グランプリを受賞し、専属モデルに就任。22年10月15日にスタートするABEMA「覆面D」では物語のカギを握るヤングケアラーの高校生を演じる。身長184センチ。趣味は音楽鑑賞、読書。ガチャガチャやUFOキャッチャーが好きという意外な一面を持つ。